店舗には必ず造作工事が必要!

さて今日は、旋回の続きで《店舗図面集/紳士服_001》造作図とその関連図を進めていきましょう。店舗には単品什器レイアウトだけでは成り立ちません。

百貨店の場合は工期短縮は必須で、昔はレンタル什器で構成でよかった時代もありました。しかし、昨今では店舗の個性を出すために作り付けの什器の構成が増えオリジナル性を高めため造作工事の比率が高まったような気がします。

さて、本題に入ります。
造作エリアとして私が括ったのは、以下の通りです。店頭の大型什器とフッティング・ルームのエリアです。
それでは、以下のよう作図を読み取りましょう。

売り場環境のガラスパーティション

さて、このガラスパーティションですが、何故ここに設置したのかが、竣工時まで分かりませんでした。(あさはかでした!)実は、売場の共通環境として立てたそうです。

特にどうってことのない内容ですが、売場のメインになる大きなVMD什器を、より際立たせ、店の格が上がるように設置した装置だったんだそうです。

この環境装置(ガラスパーティション)に関しては、私が携わる売場設計と殆ど別個なので、気にしないで図面を進めることが出来ました。

配置は、トップ画像の平面図を参照してもらえれば分かると思いますが、いかに書く大豆を載せておきました。

メイン什器(上下)の中心にガラススクリーンが左右にはみ出しているのが確認できます。 要は以下にあるゴンドラ什器(背割れ什器)のような考え方なのかもしれません。私は素晴らしいアイデアだとおもいます。

ただ、デカ過ぎてちょっと重い気もしましたね。ただ、什器壁面お中央に開口を設けてあるので、スルー感は多少感じていいです。
欲をいえば、このガラススクリーンに演出照明を加えればもっとよかったのですが。

売場を際立たせるVMD造作什器

さて、このロープライススーツ売場の見せ場であるVMDエリアの什器とその断面詳細図です。

お客様に、しっかりアピール出来るエリアだと感じます。 また、前述したガラススクリーンがよりその効果を高めてはいませんか?

ここは、シーズン事に打ち出す商品を如何に見せるかが勝負の「場」でもあります。 メイン商品を中心に、その関連商品を明確に表現できる什器です。

ですから、着想感やライフスタイル演出にも手を入れて欲しいところです。尚、壁面システムを施していますので、壁面備品(棚、ハンガー)などを旨く組み替えることも出来ます。

後は、販売員の腕前で、売り上げは確実に上がると思われます。

下部の什器図は、上記のメインディスプレーの裏面に当たる面になります。

スーツ売場になくてはならないのが、このドレスシャツです。 ここでは、まず上段でネクタイとコーディネートされたシャツをフェイスアウトで展示します。(スケッチ下)

明確なVMD什器ですね。

その下段に、その関連商品を棚で配置構成します。 まあ、「上で魅せて、下で売る」という考え方です。
VMDの基本です。

この売場はとても明解です。お客様も見やすく、触りやすく、選びやすいので大変親切な売場ともいえます。

また、中央の一部分に「くりぬき」を施し、シースルー感をだします。 売場環境のガラスパーティションを通して人の動きが、売場の活気を盛り上げます。

尚、この什器は壁面システムで構成されていますので、オールフレキシブルとなり変化のあるバリエーションが編集できます。

以下図面は、この什器の主要断面図です。この図面はしっかり読み込むことをお勧めします。断面図は描けなきゃ話になりませんからね。

ゆとりのあるフィッティングルーム

上記2枚の図面は、フィッティングルーム(以後FR)の造作図です。2枚目にFRに使用する備品も添付しています。

高級感のあるスーツ売り場ではありませんが、FRはある程度大きなスペースが必要だと感じます。 あまり窮屈だと、ちょっと貧そな感じがして好感が持てませんから。

また、備品についても高級感を感じてもらうのを選びました。このFR内で使用するので、やはり大きなFRは必要です。

機能的なものについては、備品を含めハンガーフックが必要です。今回はフックを使わずレールにしました。

気になったことは、ミラーサイズがもう少し、いや壁面全面に貼ればよかったとオープン時に感じました。
尚、扉の上部には風通しをよくするためガラリを付けました。

以下は、VIP用フィッティングルームの壁面詳細図です。この場所は、平面図でいうと左端に当たる壁面の詳細図です。(平面図参照)

余りのスペースに味気なさを感じましたので、追加工事としてガラス棚を設置することになりました。この棚の上にメンズらしいグッズなどを展示して、ライフスタイルを表現出来ればと考えました。
具体的にはブリキのおもちゃ等とそれの関連するモノ・グッズを選びました。図面右部分には、このフィッティングルームで使用するスツール。カーテンの確認写真もプロットしています。

まとめ

今回で、《店舗図面集/紳士服_001》の店舗環境図は終了です。多くの資料を見て頂きましたが、参考になるもの、ならないものはご自身で判断して下さい。

仮に参考になったものが有れば、必ず自分のモノにしてください。オリジナリティーの無いものばかりですが、今でも、今回の事例のような店舗は多くあります。

我々が携わるのは、アートではありません。商品を如何に生かすかと言うことです。機能追求すると店作りからと遠ざかる。そこはあなたのバランス感覚でまとめてください。 以上!

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