はじめに

今回の作図事例は、フードコートの店舗環境計画です。

単体の什器図ではなく、平面図、天井伏図、床伏図、展開図、コンセプト、パースまで含めた、店舗設計全体の流れが見える内容になっています。

コンセプトとして意識したのは、「北見らしさ」や「太陽の街」といったイメージです。そして、オホーツクブルーの明るさ、人が集まる市場や屋台のようなにぎわいを、どう空間に置き換えるかが、この計画の大きなポイントになっています。

店舗設計では、最初に考えたイメージを、平面、天井、床、展開図へと具体的に落とし込む必要があります。今回は、そのつながりを中心に見ていきます。

以下、私が作ったコンセプト・ボードとパースです。かなり古い資料となりますが、参考にしてください。

平面図関連

平面図を見ると、フードコート全体を横長の空間として捉え、その中央に円形の客席ゾーンを設けています。

この中央部分が、今回の計画の大きな見せ場です

中央にパーゴラ風の構造体を置くことで、単調な飲食空間ではなく、人が集まる広場のような雰囲気を造ろうと考えました。

天井伏図では、この中央部分に円形の天井意匠が重ねられています。さらに床伏図でも、中央に円形の床パターンが入り、平面、天井、床の考え方が連動しています。

店舗設計では、平面図だけを見て終わりではありません。

天井伏図、床伏図と照らし合わせることで、設計者がどこを主役にしたかったのかが見えてきます。

この事例では、中央の円形ゾーンを軸にして、客席配置、天井意匠、床パターン、視線の集まり方まで整理されているところが大きなポイントです。

基本照明は、建築側で設置する予定なので、ここではサークルになっている箇所の演出照明のみをレイアウトしました。よくあるパターンです。

床計画も、サークル部を強調したカタチにしました。全体がブルー色が強いので、出来るだけナチュラル・テイストでまとめました。

展開図

展開図では、空間の雰囲気をつくる具体的な要素が描かれています。

まず目を引くのは、中央のパーゴラ風の構造体です。フードコートの中に、屋外広場や市場のような印象を持ち込むための装置として計画されています。

今回の展開図は、平面図上に示されたA〜Gの方向に合わせて作図されています。展開図を見るときは、まず平面図のどの位置から、どちらを向いて見ているのかを確認することが大切です。

例えばA展開図は、平面図の下側通路側から上方向を見た展開図です。

中央のパーゴラ、手前のパーテーション、柱まわりの装飾など、空間の正面性がよく分かります。

また、フードカウンター側の展開図では、サイン、メニュー表示、カウンター腰、上部装飾などが整理されています。

フードコートでは、各店舗の個性を出しながらも、全体として雑然としすぎないようにまとめる必要があります。

展開図は単に壁面を描いたものではありません。人がどこに立ち、どちらを向いたときに何が見えるのかを整理するための図面です。

所感・まとめ

今回の作図事例を見て感じるのは、店舗設計では「コンセプトをどこまで図面に落とし込めるか」が大切だということです。

コンセプトボードやパースで良い雰囲気をつくることは大事ですが、それだけでは実際の店舗は成立しません。平面図、天井伏図、床伏図、展開図へと具体的に展開していく必要があります。

今回の計画では、中央の円形広場、パーゴラ、床の円形パターン、天井意匠、ブルーのパーテーション、フードカウンターの連続したファサードなどが、ひとつの方向に向かって構成されています。

図面初心者の方には、まず平面図だけで判断しないことを意識してほしいと思います。平面で配置を見て、天井で上部を確認し、床で足元を確認し、展開図で人の目に入る高さを確認する。

この順番で見ていくと、店舗設計の考え方が少しずつ見えてきます。

店舗設計は、きれいな図面を描くだけではなく、最初に考えたイメージを実際の空間として成立させるために、図面同士をつなげていく作業だと思います。

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