以前は、「ヤング」「カジュアル」「キャリア」「ミセス」など、婦人服のカテゴリーが色々ありました。しかし、最近では、各百貨店でカテゴリー名の付け方がまちまちで、私としては大変です。
今回ご紹介する売り場も、どのカテゴリーにはまるかが迷うところですが、取りあえず「カジュアル」で切り込みました。若い世代をターゲットにしたブランドが、百貨店の売り場に集約されています。
では、いつものように環境図事例から始めます。
店頭に大きな柱を大胆に使った平面プラン
これは、もう10年ぐらい前の改装物件で3ブランド混合の売り場です。
円形フィッティングルームの配置が、個性的ですね。
レイアウトも他の売り場とは、ちょっと違った雰囲気があります。展開図を見れば理解して頂けるでしょう。
今回は改装ということもあり、赤線・青線で描かれた什器は転用什器として平面図に示しています。ですので、それらの作図は必要なしです。
きっと予算がなかったか、メーカー什器だった可能性があります。こういうケースは多々見られます。
予算がないのは仕方のないことですから、快くお受けしますって感じで作図を始めます。
天井伏せ図も載せておきます。参考にしてください。
各ブランドの個性的が演出された展開図
レディースショップ改装計画ということで、A・B展開図の壁面什器は転用のようです。
メーカーが違うため、それぞれの顔出しを個性豊かに演出されています。
この仕様に関してのデータはありませんが、向かって左はゲートと間接照明を使った壁面演出です。
向かって右面は、何か寄せ木の染色のようですね。仕上げはクリアラッカーでしょう。両面とも、あまり可動性がないものと思われます。
店頭の柱間巻を使った壁面は、新規でデザインされました。
ちなみに、この図面の右上にキープランを貼り付けていますが、紙面のスペースを考えてバランス良く付けるようにしましょう。
威圧感ありすぎ?店頭柱巻き詳細図
通路面に存在する柱を囲いつつ売り場を造っていますが・・・。これは厳しいと思われます。
デカすぎますね!威圧感ありすぎです。店内に人が入るのか心配です。
まあ、柱を隠さなければならないので仕方は無いにしてもちょっと・・・・・・・。
こういう時は、出来るだけ無機質な素材で環境を造るようにします。
そして、あまり重くならないように心がけます。 この売場も同様の考え方をしている模様です。
ちなみにこの百貨店は、歴史があり古いものですからこのような変形柱が多かった記憶があります。今は全面改装されて、非常に良い環境になったように思います。
この柱巻きは、シンプルなシングルハンガーだけで商品を陳列しています。
これは正解かもしれません。
ガタイがでかい柱巻ですので、この程度の什器で構成する方が得策です。
全体サイズ等は、各平面を参照してください。
後は、コーディネートされたマネキンやトルソーなどで演出すれば、それだけで十分と思われます。
あまりオーバーな装飾は、この場合に限って厳禁です。
竣工後、売り場に行きましたがやはり全体に思いムードを感じました。私も今後は注意するようにしましょう。
このタイプの固定式HGパイプは、どの売り場にも定番的要素のものです。しっかり収めを理解してください。
試験には出ませんが、きっと役に立ちますよ。
尚、柱巻きの仕上げに使われたのは、アイカの「アール オレフィンモールドタイプ」です。
詳細は、アイカ工業公式サイトでご確認ください。
フィッティングルームを合体させた柱巻き詳細図
この、存在感のあるFRを含む柱巻もかなりの威圧感はあります。
こんなのが店頭に2つも存在するとちょっと厄介ですね。 私ならこんなプランはしませんね!
しかし、実施図面を受けた以上は文句は言えません。素直に作業に専念するのみです。(泣)
FRのスペースは、問題ないでしょう。
ここも、あまり商品にボリュームのある演出はしない方が良いと思われます。このように、シングルハンガー程度で逃げている方が無難ですね。
ここに、仮にボリューム什器などに近いものを持ってくれば確実に売り場は死に場に変わります。
ちなみに、このハンガーパイプの収めは、先にご紹介した詳細図と同じです。尚、展開図を添付掲載していますので参考にしてください!
フィッティングルームは、カーテンで良かったと感じます。扉でも悪くないと思いますが、立て付けが厄介なのとコストがかかるので避けた方がいいでしょう。
フィッティングルーム内の機能は、これで問題ないでしょう。床のピースマットには必ず、滑り止めを付けることをお忘れなく!
以上で、複数ブランドを集めた百貨店のレディースカジュアルショップ〈環境図〉は終了です。
次回、什器編をお楽しみに。
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