はじめに
2002年に投稿した記事ですが、あまりにもお粗末なので書き直しというわけです。
当時、一世風靡していた『ネクスト・アイ』というフレンチカジュアルブランドで百貨店で展開していたようです。
あれから、20年経ちましたが、今この平面図を見ていると、結構レナウンさんも頑張っていたんだという感じがします。
以前投稿した時点では、本業が大変でブログどころではなかった気がします。
当時は、GMSなどの仕事をしていたので、図面、現場監督の二刀流で頑張っていました。
寝る暇も無く昼夜兼行で働いたモノです。今は引退した身ですからブログ更新しようと思います。
しっかり描いた図面ですから、店舗設計の初心者の方には勉強にはなると考えます。
業態は、ファミリータイプショップ(フレンチテイスト)です。
坪数は約30坪の店舗で、ゆったりした空間で買い物が出来ると思います。
フロント演出と充実したレイアウトの平面プラン

まず店舗全体を見て感じるのが、効率の良い什器レイアウトが目に入ってきます。
そして、2方向がオープン形式なので、客へのアプローチも容易く出来るのは良い!
ファサードでのVMDを充実させれば、きっと売れる店舗になると感じますね!(既に過去モノですが..)
ただ、このレイアウトを理解すれば、今現在でも素晴らしいとも感じます。
この時点では、展開図は確認できませんがファサード当たりが格好良いって気がします。
竣工時での記憶はほとんどありませんが、図面についてのクレームは無かったと感じます。
SPAについて
そもそもSPAとは、ファッション商品の企画から生産、販売までの流通を統合したビジネスモデルで、日本語では「製造小売業」と訳されています。
SAPの語源は、1986年にアメリカの衣料品大手GAPの会長が、自社の業態を示して言った「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字から取った造語です。引用元: 野村総合研究所(1998年)
ショップカラーで視認性を高めた展開図

展開図について説明します。まず、天高はあるのですが、売り場の什器高は2600mmです。
天井高さがGAPほどはないので、高さを活かした見せ方はしていません。
しかし、レディース、メンズ、キッズの3ゾーンをディスプレーパネルやミラーによって認識されます。
什器に関しては、当時の流行でしょうか。壁面はシステムを組み入れてます。
システムピッチは、ハンガー・バー、可動棚、ディスプレーパネルなどで変化を付けているのが良い感じです。
フレンチカジュアルをテーマにしているので、使用している素材は柔らかい色目の木目で、壁面の各スパンを区切る帆立はスチール製でシルバー色に焼き付けています。
A展開図にあるディスプレーパネルは、際立たせるためにショップカラーのグリーンにしてゾーン分けをより明確にしています。
そしてC展開図では、ファミリーでの連想させるシーン演出が出来る大きなステージが特徴的です。上記のディスプレーパネルと同様に、グリーンのカラーで視認性を高めています。

次に、フロントの柱面の展開図です。
防火シャッターが絡んだ、ちょっと特殊な柱です。どうしても、このシャッターのガイドレールで意匠が分断されてしまいます。
また、シャッターの付近には什器の設置は不可とされ、レイアウトや陳列にも規制が掛かってしまって何かと厄介な存在です。
基本的に、この柱にはスリットを埋め込まずに素柱にしてスッキリとした見せ方で進めていたのですが、ショップ側としては、やはり陳列棚が欲しいらしく、仕方なく可動棚にしました。
中途半端な陳列にならなければいいのですが・・・。

壁面と柱の展開図の次に見て頂くのは、イメージスケッチです。
今回はカラースケッチにしているのですが、これがまた手間がかかる作業でした。
通常はモノクロスケッチとし、商品も殆ど描くことはありません。
今回このスケッチでは、商品に色を付けてよりイメージアップを図りました。
手間を掛けた分、明るい雰囲気のショップになりましたが、CADソフトの色がなかなか綺麗にでない。
打合せは思いの外スムーズに進んで良かっただけに、ちょっと悔しさが残るスケッチです。
さて本題ですが、カラーでの表現によってショップのイメージカラーで塗装したディスプレーエリアが明確になり、訴求力あるショップになっています。
また、スケッチに商品を描く事で陳列のイメージも伝わり、具体的なシュミレーションが出来る様になっています。
以上、フレンチカジュアルテイストのファミリー型ショップの環境図でした。
次回からは、各詳細図と什器図のご紹介です。
まとめ
1998年の図面ですが見ていて如何ですか>?
私は、今でも遜色のないショップだと感じますし、図面屋初心者の方には是非参考にしてもらえれば幸いです。
ショップ形態というモノは知れほど変化するとは思えません。
その基本は、『魅せて売る』というのが綿のモットーです。
素材の変化などのアレンジで今現在でも通用する、店舗のプロトタイプといってもいいでしょう。
デザイン性の高い過去には多くありましたが。今では役に立つことは無いでしょう。
やはり、基本が大切です!
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