今回から2回に分けて、服飾雑貨のセレクトショップをご紹介します。
この店舗は、百貨店での展開が多くバッグを中心に品揃えをしていています。その他、関連商品としてアクセサリーや雑貨を販売しています。
ヨーロッパを中心に活躍するデザイナーが造りだす、創造的な雑貨を取り扱い、百貨店では人気ショップのようです。
その店作りは、かなり個性的で「店」自体がアイキャッチャーとなっているようです。
私としては、理解に苦しむところも多々ありましたが、あくまで実施・施工図面でしたので、ひたすら描くだけでした。
回遊性を意識したのゆとりのある平面計画
上記はこの店舗の平面図ですが、ファサード両側に、ディスプレースペースを設け、中央にはアクセサリーのショーケースを置いて、お客様の目を引きます。
この店舗の明確なVMDを感じます。やはりMDがしっかりして、何を売るかが、ハッキリしていたならばこういうアプローチは成功すると考えます。
店内の壁面には、多段のバッグ什器を配置することで、商品のボリューム出します。ここでも、MDが明確な売り場構成になっています。
店内奥にソファーを設けることで、お客様にくつろぎを感じていただくことも、この店舗の特徴でしょう。ただ、もう少し、ゆとりがあれば良かったのではないかと思います。
温白色の自然な明るさに仕上げた天井伏せ図
上記は、天井伏図ですが、基本照明と重点照明がバランス良く配列されています。
そのほとんどが温白色のダウンライトを使い、明るく、なおかつ落ち着きのある雰囲気を醸し出しています。
ちなみに、照明器具の色には「電球色」「昼白色」「温白色」があります。
その中で温白色は、一番自然に近い色です。特に今回の店舗では、相応しいと感じます。その他、洋装や服飾雑貨、化粧品の店舗に向いている照明と言われます。
個性的、かつシンプルなデザインが素敵な展開図
最初に、キープランからごらんください。
私がいつも言っていることですが、キープランは必須作図であって、展開図を描くときには、これを同用紙の空いているスペースに添付します。
ここで、上の平面図の展開方向と、それぞれの展開図と照らし合わせてください。より、理解しやすいと思います。
A-A’展開図は、通路からショップフロントを、B-B’展開図は、その奥壁面を描いています。
真っ赤なカーテン、インパクトがあって目を引きますね。
このカーテン、素材はベルベットです。華やかさと高級感、女性らしさの演出が光ります。しなやかな感じが素敵です。
C-C’展開図、D-D’展開図は、共に店内左右の壁面の展開図です。
カーテンでインパクトを与え、それ以外はあまり色を使っていません。シンプルで、シックなデザインです。落ち着きのある店内になっていますね。
E-E’展開図、G-G’展開図は、通路から店内を描いています。
ショーウインドーの部分です。
先ほども言いましたが、白を基調としているので、カーテンやビジュアルの存在が引き立っています。
ヨーロッパの雰囲気が漂う、洗練されたショップイメージです。
印象的なカーテンを取り付けたショーウインドーの外観図
上の作図は、店内から見たウインドーの正面図です。
このショーウインドーは、断面図を見ていただいてもお分かりのように共用通路からのウインドーとしても有益な働きをしています。
キーデザインとなっているカーテンが、このセレクトショップの特徴であり、通路側から見たショーウインドの眺めは、何かを予兆しているようです。
まるで、演劇が始まるステージのようですね。ムードいっぱいです。
この個性有る店舗をこのウインドーひとつで表現できているといっても過言では無いでしょう。
最後に、断面図は形状だけを確認してください。収めとしては、あまり参考にはなりません。実施設計として描いた図面ですので、ご容赦ください。
次回は、服飾雑貨セレクトショップの什器図をご紹介していきます。
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