ビジネス、カジュアル共に持ち合わせたスタイリングショップ

9月、10月と非常に忙しい状態でしたので、しばらく記事を投稿出来ずにいました。ですから、久しぶりの投稿となります。

今回の店舗事例は、は、英国がルーツとなったダンディなメンズショップのご紹介となります。

クラシックでありながら洗練されたスタイルが、特徴的なファッションブランドです。

自分のライフスタイルに合わせたスタイリングを提案。厳選された商品で構成され、独自のスタイルを確立した代表的なセレクトショップと言えます。

またスーツだけでなく、カジュアルなスタイルまで展開している幅広い商品構成が、ビジネスマンに高く評価されているショップです。

販売効率を意識した素晴らしい平面プラン

平面図について説明しますが、まず中央奥の壁面を境に、左側はスーツとその関連する商品群、そして右側にはカジュアルスタイルをメインにした商品が展開されています。

15坪前後と思われる空間を非常に旨く使った素晴らしい平面計画です。

次に、店舗演出として全体を、やや濃いめの木目素材でまとめ、落ち着きのあるイメージを演出。これにより空間と商品との調和を図っています。

そして、最低限の什器を配置し、出来るだけ通路を確保することも重要視されています。

ファサードのショーウインドウも、いびつなフォルムながら、メイン通路からの視認性を意識した結果でしょう。

また、デッドスペースになりがちな店内奥にフィッティングルームを配置したのも良い事例だと感じます。そして、十分なスペースも確保できています。

ちなみに、このショップにはレジカウンターが設けられていません。これは、百貨店仕様によくある集約レジでの決済になります。

重点照明を意識した明確な天井プラン

続いては、天井伏図です。天井伏図というよりも照明計画図と行った方が正しいでしょう。

基本的な明るさを保っているのは、図面上の四角い黄色い照明器具で、これはフロア全体の照明計画を元に配置されています。基本照明と呼んでいます。


この基本照明を除いた照明を重点照明と呼びます。すなわち、壁面什器を照らすもの、そして配置された中央部の什器を照らす照明です。

この照明計画図には、天井照明以外に、什器に取り付けられた棚下照明や演出照明なども一緒に表現しています。

器具表は、上が天井照明リスト、下の表が壁面造作と什器照明リストです。

整理整頓された理想的な展開図プラン

次に環境図として重要な要素を持つ展開図を説明していきます。

上の展開図、上段のA展開図を見てください。店内左側のショーケースから、曲線状になったシャツボックス什器での面を表しています。

大きな面をガラス貼りにしたショーウインドウが特に目立ち、大きなインパクトを与えています。

その横には、スーツを陳列する木製の三方枠で囲まれた壁面造作。フェイスアウトとスリーブアウトを組み合わせて、訴求力ある見せ方が出来ています。

また、季節やイベント時には、中央のスパンだけを棚陳列に組み替えて、関連する商品とのコーディネート陳列も可能です。

次に、店内奥の面を見たB展開図では、主にバッグや服飾品などの陳列とトルソーを使った着想感あるディスプレースペースとなっています。

店頭から最も目に入る壁面なのでここは大切にしたい場所でもあります。尚、ショップの共通意匠であるリブ材を使って、左右の壁面よりも際立つように工夫されているようです。

C展開図では、前述したA展開図と同仕様の壁面造作となります。違いと言えばワイドのピッチが違う程度です。この面も自由度の高い見せ方が出来るようになっています。

D展開図は、ショーウィンドの裏側を見た面です。リブ材で囲われた、大きなミラーをここに設置しています。この辺りは、販売効率を意識したスペースでしょう。

最後はファサードのE展開図です。ショーウィンドと壁面造作の側面に使ったリブ材がうるさ過ぎず、ちょうど良いバランスで主張出来ています。

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