ステーショナリーコーナーの作図事例は、この中央エリアが最後になります。
本当に、すごい数の什器がありますね。設計も時間がかかりましたが、製作も大変だったと聞いています。
可動式ボックスと組み合わせたディスプレイテーブル
- 什器No. P
この什器は、物販店ではお馴染みのディスプレイテーブルです。
可動式ボックスを正面と背面に備えて、自由にディスプレイできる幅を広げることが出来ますね。
ただ、厄介な事にショップのスタッフだけでなくお客様も動かさせてしまうので、乱雑になる場合があるんです。
なので、この可動式ボックスは自由さがある代わりに、管理に若干の手間が掛かるので注意して下さい。キャスター式ではなく、テーブル型の方が管理はし易いででょうね。
又、商品的にも小さいものはこのボックス内にディスプレイしても殆ど訴求力はありません。高さが低いので、お客様の目に留まる事が少ないからです。
同じ事が、左右のボックスにも言えますね。
断面図を見て分かるように、中棚にガラスを使って影が出来ないようにしているのですが、これも視認性は低いです。
なので、比較的大きな雑貨や、見栄えの良い商品の箱を整理して見せる方が良いかもしれません。
ここで、人間工学的からの視点で什器と人の姿勢について簡単にご説明しておきましょう。什器の設計では人の目線の高さや見る姿勢などにも配慮が必要なので、覚えておいて損はしません。
これは一般的な高さの什器と人の姿勢を描いたイメージです。腰の高さは約450mm程度です。
どうでしょう。
腰の直ぐ上の商品を見る時でも、かなり腰を曲げて見ているのがお分かりになると思います。
このことから、あまり低い位置に商品をディスプレイしてもお客様が手に取ることは殆どないというのが見えてきますよね。
なので、店頭に設置するディスプレイ什器では腰下は演出かオープンのままの方がかえって訴求力が上がる場合もあります。
また、腰下がクローズになっていると、什器として重たく感じるのでやはり店頭にはスッキリとした軽い印象を与えた方が、ショップには入り易いですね。
側面に装飾パイプを取り付けたラック什器
- 什器No. Q
こちらは、柱廻りでご紹介した〈什器No. I-1〉のラック什器をアレンジしたものです。
サイズ的にもほぼ同じで、上部の角材フレームをパネル組にしています。
〈什器No. I-1〉のラック什器は、以下の記事を参照してください。
ステーショナリーコーナーの環境図、壁面・レジ廻りに続き、柱廻りの図面事例になります。上記平面図の什器番号と、照らし合わせながらごらんください。 同じフォルムで統一感を出した2本の柱廻り什器 このステーショナリーコーナーに …
側板パネルには、アクセントとしてステンレスの装飾パイプを取り付けています。
また、脚にも同じ仕様で逆円錐形にして、アンティークな感じを演出しています。
今回は、濃い色目の染色に良く合うステンレスを使いましたが、よりアンティーク感を出す場合は古美色にしてもいいでしょうね。
古美色は真鍮をくすませた色合いで、風合いを演出するには最も適しています。
参考までに古美色を使った什器イメージを添付してきますね。
間仕切り効果を狙ったシェルフ什器
- 什器No. R-1
柱廻りでご紹介した、間仕切り用什器のサイズ違いです。
カード類を販売するため、棚の前面にはコロビ止めと倒れ止め用の細いパイプシャフトを取り付けています。
絵柄を見せて陳列できるようにですね。
次に、手帳や革小物を陳列する什器です。
- 什器No. R-2
同じサイズですが、コロビ止めなどはなく可動棚のみで、中央にミニダウンライトが取り付けられています。
そして、R-1、R-2の間にレイアウトされたタワー型什器です。
- 什器No. R-3
⇒ステーショナリーコーナーの図面事例〈柱廻り〉
什器No. J、間仕切り用什器で説明しています。
多種多様な演出が可能な2段テーブル
- 什器No. S
アパレルショップなどでも良く見かける、2段テーブルです。
いろいろな演出が出来る、最もポピュラーな什器ですね。
しかし、このステーショナリーショップでは、ラック什器と同様に連結配置にしているんです。ちょっと量販店的な発想なので、少し残念な気がしますね。
単にテーブルを連結させて、広い商品陳列のスペースを確保するだけなら本当に量販店と同じようになってしまいます。やはりここで一工夫欲しいですよね。
例えば、下のイメージ画像をご覧ください。
こういった箱をランダムに積み上げて、遊び心溢れるディスプレイもアイディアとしてあります。
平面的な見せ方よりも立体的な方が、訴求力はとても高くなるんです。
ただ、テーブル全体に積み上げるのではなく、中央に設置しておきます。
この廻りにディスプレイしている商品と、関連のあるものをトレーなどにいれて陳列するとより分かりやすいでしょうね。
他にも演出アイディアは沢山ありますが、必ず守らなければならない点が一つだけあります。
テーブル什器で演出をする場合、高さ感には十分注意して欲しいですね。
そもそもこのテーブル什器は店頭に設置して、お客様の目を引く商品をディスプレイするのが主な役割です。
その為什器高も低くおさえてあります。
そこに背丈のある演出備品を設置してしまうと、お客様に圧迫感を与えてしまい、入り易いショップとは言えませんよね。
なので、高くても1350mm程度までに抑えておくように心掛けておいて下さい。
什器エンドを飾るアンティーク風半円テーブル
- 什器No. T
ステーショナリーコーナーの図面事例、最後の什器です。
什器エンド(什器No. S・什器No. I)に設置した、半円形のテーブル什器です。
こちらの什器も店頭に設置したテーブルと同じ役割で、人気商品やおすすめアイテムを展示して、お客様の目を引くための什器です。
テーブル高さは、店頭に配置した他の什器と同じにして、統一感ある売場環境になっています。
注意すべき点は、脚の位置です。バランス良く見えるように配置するのも大事ですが、ちょっとした衝撃で倒れてしまうようでは問題です。
什器エンドに設置しているので、お客様が触れたり寄りかかったりする場合もありますので、見た目と耐久性の両方の視点から最低な位置にするよう心がけて下さい。
以上で、ステーショナリーコーナーの図面事例は終了です。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
デザインランキングに参加してます。
応援お願い致します!
↓ ↓ ↓
デザインランキング