先回は、『英国がルーツのダンディなメンズショップ』のショップ環境図をご覧頂きましたが、ご理解なさいましたか?今回はこのショップの、コーナー詳細図を進めていきます。平面詳細図という人もいますが、私はコーナー詳細図、施工図と呼んでいます。
まずは復習として、先回の環境図を確認願います。それでは進めますが、ゆっくりで良いのでしっかり作図を読み取ってください。
ビジネス、カジュアル共に持ち合わせたスタイリングショップ 9月、10月と非常に忙しい状態でしたので、しばらく記事を投稿出来ずにいました。ですから、久しぶりの投稿となります。 今回の店舗事例は、は、英国がルーツとなったダン …
確認できたとこれで、各コーナー詳細図を説明する前に、その詳細図がどの位置にあるか、指示図を以下に入れておきますので、平行して読み取るようにしてください。
視認性を意識したショーウインドウ
それでは、ファサードのショーウインドウから進めますので、作図を読み取って出来るだけご自分で理解を深めるようにしてください。
ここには、ウインドウの姿図とその断面図。そして、それぞれの部分詳細図を描いています。
台形型のショーウインドウは、リースラインに旨く合わせたフォルムとなっていて、通路からの視認性を意識し出来る位置にもってくるようにしました。
この大きなガラス面だけでも、かなりのインパクトを与える事ができます。また、このショップの個性をより主張するために、特殊なリブ材で覆いました。
ウインドウ内の左側にディスプレイを入れ替えるための建具がありますが、ここにもリブ材を使って壁との一体化を図りました。
内部は黒一色とし、天井面には同色のスチールルーバーを取り付けて、強調したディスプレーを演出することが出来ます。
図面左側に、断面図を描いていますが、スチールルーバーは位置や取り付け方法が少しではありますが、おわかりいただけますね。そして、その上の断面図でガラスと枠の納め方も、表現しています。
適切な位置に設置した大型の姿見
次に、上の作図をご覧ください。ショーウインドウの裏面にあたる壁面になりますが、ここには、大型の姿見を設置しました。
というのも、ショップ内には、ストックルームとフィッティングルームにそれぞれ建具に、姿見用のミラーを貼ったのですが、あくまでも体裁だけのミラー貼りであって、実際にはそれほど役に立ちません。
ですから、ショーウインドウの裏面を生かして、全身を見ることができる姿見をと考えたのです。もちろん可動式の姿見を配置することも考えられますが、やはり大きな姿見はアパレルショップには必須です。
ショップがそれほど広くないので、こういったアイデアはよろこばれるでしょう。
尚、ウインドウ内に設置した黒一色の背の高いパネルは、ディスプレーのバックパネルとして使用します。以下の作図を参考程度で良いですから、見ておいてください。
その他活用例としては、イベントや季節ごとのビジュアルフォトを貼るも可能ですし、用途での様々な活用が可能だと感じます。
また、一点掛けのフックを取り付けることも出来ますが、量販店っぽい印象を与えるかもしれませんので………..。まぁ、イメージ造りのためのバックパネルと考えた方が良いでしょう。
壁面造作什器の姿図と充実したその機能を理解する!
以下に続く作図事例は、このショップにとって、とても重要な役割を担う壁面造作什器を進めていきます。
まず、店内左側に並んでいるB部什器ですが、C部什器と似かよった什器なので、注意深く読み取ってください。
この什器には、棚板とハンガーパイプで構成されたニッチ型です。スパンごとに三方を木枠で囲み、クローゼットをイメージさせます。
位置的にスーツを陳列するコーナーなので、閑散期はフェイスアウト、繁盛記はショルダーアウトで構成します。フェイスアウトでの構成が必須なので、什器ワイドは1200mmあれば妥当と思います。
ここでも、図面表現は平面図、立面図、断面図。そして、各部分詳細図を描きますが、順当な表現の仕方だと考えます。紙面サイズは、A3です。
このように壁面を木枠やゲートなどで囲う見せ方は、物販店ではよく使われる手法です。紳士服のショップや、量販店などでも見かけたことがあるのではないでしょうか。
ただ、このショップでは商品の見せ方が違うのです。
次は、C部什器です。
ここでは、2段ともフェイスアウトハンガーを使っていますが、こちらも前述したことと同じ使い方をします(閑散期と繁盛期)尚、この部分は、B部什器とは違った商品を展開するためにしました。スーツではなくジャケット類です。
このように、広くは無いショップでも、コーナー取りを押さえた売り方は、商品に位置が分かりやすく、最終的には顧客にとって親切な売り場になると考えます。言い方はよくないが、『売ってなんぼ!』ですから。
言い忘れてましたが、これらの什器は、パーツを取り替えるだけで、様々な見せ方ができるので、壁面システムは多様性がありとても有効な什器となります。
では、最後となりましたが、C部什器下側に設置したの什器をごらんください。(番号付け忘れてます。ご容赦を!)
厄介なところに駆体柱がありましたが、この柱を上手く活用したのが上の作図です。この躯体柱ってほんと嫌に成しますね。しかし、克服!
奥行きが狭い柱前を、小物などをディスプレイする場所として考えました。構成は、可動ガラス棚と下部は置き式のストックボックスです。また、ファサード側の袖壁には、ショーウインドウと同じリブ材で仕上げ、ショップの統一感を図りました。
最後に、この記事ちょっと長くなりそうなので、壁面造作の事例は、2回に分けてご紹介することにします。とりあえず、1回目(その1)はこれで終了です。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。