モノトーンを基調にしたメンズスーツショップ図面事例は、今回で最終となります。作図事例は、店内に配置された什器図のご紹介となります。
Part1(環境)、Part2(各コーナー詳細図)をまだお読みになっていない方は、以下のサイトからご覧いただけます。
今回から、メンズスーツショップを3回に分けてお伝えします。 スーツを中心にした商品構成で、百貨店のテナントとして構えています。内装はモノトーンを基調にした、シックで大人の雰囲気が漂うメンズファッションの店舗です。 本来で …
先回に引き続き「モノトーンを基調にしたメンズスーツショップ」の作図集をお届けします。今回は壁面造作図を中心に、それぞれのコーナー図のご覧頂きます。 おさらいとして、環境編をまだご覧になっていない方は、以下サイトでお読み頂 …
汎用性の高いオープン棚什器
店内中央で主軸になっている、オープン棚什器の詳細図です。
店内に、3台置かれていますね。
よく似た什器で、スリット柱を使用したフレームタイプのものがあります。
バラエティに富んだ陳列が可能なので、多くのショップで使われています。
この什器はそれをアレンジし、汎用性を高めたものです。
天板上に半身のトルソーを設置することで、ディスプレースペースとしても活用出来ます。
また、店内の見通し良くするために、高さをH1000に抑えました。
機能的には「置く」商品の陳列に特化した什器ですが、アパレルショップだけでなく、様々な業種に対応出来る利点があります。
天板と中棚2段にはガラスを使い、下に行くに従ってサイズを大きくしてしています。
各段のサイズに変化を付けることで、商品が見えやすくなり、お客様が姿勢を低くせずに商品を探す事ができます。
つまり、訴求力のアップにつながるわけです。
透過性のあるガラス棚は、商品を陳列した状態だと影ができてしまいます。ですので、棚下照明は必須ですね。
注意すべきは、固定棚のため、どんな商品を陳列するかをきちんと把握し、棚間を適切な寸法に設定することです。
また、商品によってどれくらいがベストの積み方なのかも理解していれば、説得力ある寸法設定ができますね。
タワー型のアクセサリーショーケース
奥壁面の、造作什器前に置かれたオープン棚什器横に設置した、タワー型のアクセサリーショーケースです。
オープン棚什器とは対照的に、高さを活かしてみました。
廻りの什器が低いので、1500mmの高さがあれば際立つ存在になります。
後ほどご紹介しますが、このショップのサービスカウンターには、ショーケースが組み込まれています。
この什器もショーケースですが、財布やハンカチなどの小物類や、壁面で陳列しているバッグとシューズと関連する商品のディスプレーがメインとなるでしょう。
ケースはクリアガラスの5面体で、内部にもガラス棚を専用の接着材で固定しています。
従来のショーケースだと、天板にカバー付きの照明を取り付けることが多いですが、ケース全体を透過性のあるガラスで仕上げた見え方を優先して、下からのアッパー照明にしています。
ネクタイ什器
ニッケルサテンで仕上げた重厚感あるサービスカウンター
このサービスカウンターは、ショーウィンドの裏面に設置されています。
黒染色とニッケルサテンで、重厚感ある仕上げにしました。
このカウンターは、とても多彩な機能を持っています。
什器の左半分は、時計や貴金属のアクセサリー用ショーケース。
右側前面には、ギフト用の紳士下着などのディスプレイが出来るようになっているのです。
カウンターとストック什器間の作業スペースを有効に使うため、二つあるショーケースはどちらも正面から商品を取り出すようになっています。
ケース内部にはミラーを貼り、より広く見せる工夫も施しています。
ただこの場合、スタッフがカウンター内から外へまわる必要があり、使い勝手に若干の無駄が生じますが、作業スペース内を少しでも動きやすくするためには致し方ないかもしれません。
右側のギフト用ディスプレーは、ガラスを前板にした引き出し式になっていて、奥の商品もちゃんと確認できるようになっています。
これだけ見せるスペースを持ちながらも、収納スペースやゴミ箱を置くスペースもちゃんと確保出来ていているので、全く無駄がのないカウンターです。
では、断面図もごらんください。
曲線のフォルムが美しいシングルハンガーラック
中央什器の中で、唯一「吊る」見せ方をするのシングルハンガーラックです。
メンズスーツのショップには、あまり似合わないかもしれない柔らかな曲線を使った女性的なフォルムになっています。
しかし、支柱や脚などを少し太めのサイズにしたことと、ニッケルサテン仕上げにしたことで、クールで洗練された印象を与えることが出来ました。
また、支柱を支える脚も溶接ではなく、少し荒っぽく見せる為にあえてナットとボルトでの固定にしました。
ハンガーパイプの長さは、支柱より長くしてオーバーハングになっています。
これは、両端で商品の正面を見せるフェイスアウト陳列が出来るためです。
支柱から、140mm程突き出しています。「吊る」機能だけに特化した什器でしたが、少しの工夫でディスプレーも兼ね備えたマルチな什器へと変えることができました。
ハンガーパイプの高さが上下に可変できるようになっているので、重心の位置もかわります。
そのため、脚と左右の支柱を繋ぐパイプに曲線状に曲げた丸パイプを4箇所に溶接して、高い強度と安定性を確保しています。
キャスター付きのスタンドミラー
メンズスーツショップ、最後の什器となるのがスタンドミラーです。
高い壁面の固定式ハンガーパイプの中心に設置したため、高さをハンガーパイプの高さに合わせて設定しました。
真正面から見ると1650mmは低く感じられますが、ミラー面に傾斜を付けているので、男性でも全身が映るようになっています。
ミラーパネルとキャスター付きの底板だけのとてもシンプルな構造にしたので、裏側に2枚のスチールプレートをパイプフレームに取り付けて補強をしました。
ただ、重心が高い位置にあることと、キャスターを取り付けて移動出来るようにしたことで安定感には懸念が残ります。
以上で、モノトーンを基調にしたメンズスーツショップ図面事例は終了です。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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