先回に引き続き「モノトーンを基調にしたメンズスーツショップ」の作図集をお届けします。今回は壁面造作図を中心に、それぞれのコーナー図のご覧頂きます。
おさらいとして、環境編をまだご覧になっていない方は、以下サイトでお読み頂けます。
今回から、メンズスーツショップを3回に分けてお伝えします。 スーツを中心にした商品構成で、百貨店のテナントとして構えています。内装はモノトーンを基調にした、シックで大人の雰囲気が漂うメンズファッションの店舗です。 本来で …
店頭でブランドをアピールするショーウインドー
ショップの店頭において、ブランドの存在感をアピールしているショーウインドーの詳細図です。
床からガラス貼りにしたウィンドウも多くありますが、この店舗では700mmまでを黒染色仕上げの腰パネルで覆っています。
これは、裏面のサービスカウンター側に収納スペースを確保するためです。
内寸がH1390ですので、ウインドー内には半身のトルソーでのディスプレイとなります。
若干、派手さに欠けるかもしれませんね。
しかしその分、ウインドーバックの壁面にあるスチール製のサインがブランドシンボルとして人目を引いています。
また、モノトーン色の仕上げもショーウィンドの存在感に大きく影響を与えています。
あと、断面図と詳細図も載せておきますので、参考にしてください。
また、他の店舗ではありますが、ショーウィンドの画像を添付しておきます。
固定ハンガーで壁一面を使った壁面詳細図
平面図上で左側の、壁面詳細図です。
この後、左回りにご紹介させていただきますので、平面図で位置確認しておいてくださいね。
⇒ モノトーンを基調にしたメンズスーツショップの平面図
固定のハンガーパイプを、壁一面、大胆に使っています。
店舗の奥行きとほぼ同じ長さで、ハンガーパイプだけの陳列にしている店舗はあまり見かけませんね。
しかし、ちょうど中心の位置に設置したミラースタンドが単一な見え方に上手い具合に変化を与えてくれています。
スタンドミラーの代わりにマネキンを設置して、着装感あるディスプレーも有効でしょう。
コートやアウターなどの重衣料や、ジャケットとパンツを組み合わせた陳列にも適しています。
しかし、商品の側面しか見えないのでイメージをつかみにくいというデメリットも考えられます。
この点を解消するには、一部にフェイスアウトフックなどで、見せ方に動きを付ける事です。スーツの場合は特に、正面から見たシルエットが一つのセールスポイントになるので、見せ方にも注意が必要です。
このハンガーパイプの取付方法は、いろんな固定部に応用の利くインロー式の持ち出しパイプとなっています。
注意すべき点はハンガーパイプがお辞儀をしないように、インローパイプのデプスを検証することですね。
間接照明を取り付けたベルト用造作什器
こちらは、ベルト専用の陳列什器です。
定番となっている、バックルをシングルフックに掛ける見せ方にしました。
三方を壁で囲った奥の面に陳列するので、間接照明付きのパネルで商品が際立つようにしています。
上下に2段あるフックは、奥行きと取り付け位置をずらせています。
それは、バックル同士がぶつからずそれぞれの形や色などがわかりやすくなるからです。
一番下に取り付けたバーは、商品を展示するためのものではありません。
手前に陳列しているベルトが、奥のものとからまないようにするために取り付けたものです。
a部詳細図で、どのフックなのかはお分かりいただけますね?
このバーがなければ、ベルト同士が絡み合って取りにくい原因にもなるのです。
ステージ上部には、ベルトの先端が散乱して見えるところ隠すために目隠し用のパネルを取り付けています。
このパネルは、左右のダボに引っ掛けて脱着式にしていますので、商品の入れ替えや清掃時に取り外すことが可能です。
「見せる」演出を意識した壁面詳細図
店内の奥に位置しながら、店頭から最も目につきやすい壁面の詳細図です。
他の壁面よりも「面」の大きさを意識し、間接照明も使って造り込んだ壁面となっています。
ここでは異なる二つのシステムを用いてバッグと靴を陳列し、厚みのある方立てで仕切ってゲート風にしたのです。
この方立てには、奥の壁面を浮き出たせるように照らす間接照明と行灯照明を取り付けて、店内で最も際立つ演出を施しています。
また、ゲート上部には幕板と乳半アクリで違う見え方をするサインスペースを設けてみました。
左側のシステムは、大きなサイズのバッグでも置けるように、脱着式の丸パイプを使ったガラス棚対応です。
右のシステムには、靴のデザインが見えやすいよう、傾斜棚と専用のこぼれ止めを使用しています。
それぞれの商品の形や色目などが、一目でわかる最も適した陳列方法は?と考えた結果、違う壁面システムを使用することになったのです。
断面図も添付しますので、参考にしてください。
プライベート空間を演出したフィッティングルーム
このショップでは、敢えて店内奥にある壁の裏面にフィッティングルーム(以下FR)設置しました。
先ほどご紹介した、バッグ・靴コーナーの壁面裏です。
後方にFRを配置するメリットは、FRの入り口を隠すことが出来ることです。
商品を試着するお客様にとって、外からの視線はやはり気になります。
店頭から、あからさまにFRの入り口がはっきりとわかるところではちょっと試着しにくいでしょう。
そのため、小さいながらもプライベートな空間演出も大切な要素です。
最近は、FRを出来るだけ人の視線の届かない場所に集約しているケースも数多くあります。
また、店内の見えがかりにも少なからず影響を与えます。
カーテンが中途半端に空いたFRは、あまりきれいな見え方とは言えないからです。
FRは、設置場所と入り口の向きに注意して計画することが大切です。
ペッカーサポートを使った壁面詳細図
ペッカーサポートを使用して、豊富な陳列パターンが可能な壁面詳細図です。
平面図では、4スパンこのシステムを使っていますが、この図面上では1スパン分しか描いていません。
同仕様の形状なので、あえて省略しました。ご容赦を!
基本モジュールとして、各スパンの内寸を1200mmに設定して方立てで仕切るようにしました。
それぞれに、主力商品であるスーツとコーディネートするアイテムをセットで陳列出来るところがこの壁面の大きな特徴です。
ハンガーパイプ付きの可動棚の上部にはジャケット、下部にはパンツといったセパレートの陳列や同じ商品を色で分けたりなどのフレキシブルな見せ方に対応できます。
カウンターバックに設けたストックボックス
店内には、のフィッティングルーム横にストックルームがありますが、お直し品や一時預かりの商品などを収納するために、ストックボックスをカウンターバックに設けました。
店内の環境高さを統一しているため、2150mmの高さにしました。収納容積は、十分あるでしょう。
ストックボックスですので、ほとんど意匠を施していません。
狭いカウンター内での開閉となるので、扉は3枚構成です。内部に仕切りをせず、広く使えるように考えました。
内部は、壁面に埋め込んだスリットでハンガーと棚とを組み合わせて、どんな商品にも対応出来るようにしています。
ただ、唯一懸念されるのが、什器の高さに対して扉の厚みが20mmでは少し薄すぎるかもしれません。
木材の反りも考慮して、30mm程度の厚みが望ましいですね。
以上で、モノトーンを基調にしたメンズスーツショップ図面事例_Part2は終了です。次回はPart3、什器図をご紹介させていただきます。
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