今回から、メンズスーツショップを3回に分けてお伝えします。
スーツを中心にした商品構成で、百貨店のテナントとして構えています。
内装はモノトーンを基調にした、シックで大人の雰囲気が漂うメンズファッションの店舗です。
本来であれば〈環境編〉と〈什器編〉、2回でご紹介したいのですが、今回の店舗事例は図面枚数がたっぷりあるのです。
決して広い店舗とは言えないにも関わらず図面枚数が多いのは、くまなく詳細を描き込んでいると言うことです。
ですので、このショップの図面事例は大変勉強になると感じます。
ぜひ、しっかりと見ていただきたいと思います。
広い通路で回遊性を高める平面プラン
20坪の面積でそれ程広くはない百貨店の店舗ですが、各壁面毎の明確な商品構成がうかがえるレイアウトです。
店頭のショーウィンドーでは、ブランドの個性を活かしたディスプレイでしっかりとアピールが出来ていますし、狭いながらも回遊性の高い通路幅を確保しました。
何より、フィッティングルームを壁面のバックに集約し、無駄なくスペースを活用しています。
また、多くの店舗ではサービス機能を店内奥に設置する事が多く見られるのですが、この事例ではレジをショーウィンドーの後ろに配置しています。
この配置は、来店客の流れを上手く考えた方法だといえるでしょう。
売場中央の什器は棚機能を主軸とし、什器の高さを抑えたことで、店頭から奥の壁面までを見通すことが出来ています。
全体的に、とてもまとまった平面プランです。
シックなスーツショップの天井伏せ図
続いては天井伏せ図です。
店内の基本照明は、蛍光灯ベース照明になります。
図面中に、四角い形をした黄色い照明器具がありますよね。
それがこのショップの基本照明で、工事区分は百貨店側です。
蛍光灯ベースになりますので、照度の低いところは補わなければなりません。
そこで、各壁面には器具の向きを調整出来る、タイプのユニバーサルダウンライトで構成することにしました。陳列された商品を、より引き立てる演出をするためです。
また、間接照明の淡い光によって、強弱の効いた効果もあります。
中央の什器上部にもスポット的に同じタイプのダウンライトを設置して、基本照明では足りない照度を補っています。
面材を使って統一感のある環境に仕上げた展開図
次に、展開図です。
平面図を見ていただいてもわかるように、各壁面の商品構成がはっきりとわかれています。各面の見え方も一目瞭然です。
上部の面材を全ての壁面に廻したことで、それぞれの見え方は異なりますが、統一感ある環境に仕上られています。
A展開図では、主にコートーなどの重衣料が主要商品となります。ですので、パーツは壁面から持ち出した固定式のハンガーパイプです。
肩見せだけの陳列となるので、壁の中心となる所にはスタンドミラーを設置して目を休める空間を作り、見せ方を上手く分断できています。
B展開図では、主にバッグや帽子といった雑貨類の商品とシャツの陳列です。見せ方を変えるため、ロイヤルのベルラを使ってガラス棚の構成にしました。
この壁面は、店頭から最も目につきやすい所です。しっかりと壁で造り込み、大きな面を見せるようにしています。
D展開図は、ペッカーサポートと各パーツを活用して、ジャケットとパンツ、そしてシャツなどをコーディネート陳列ができ、自由度の高い見せ方が可能となっています。
右側のショーウィンド横に、時計やアクセサリー用ショーケースと一体化したサービスカウンターを設置したことで、壁面を広く使って商品を見せることに大きく影響しています。
最後のE展開図は、ファサード展開図です。ショーウィンドが、大きな存在感を表していますね。
ウィンド越しに見えるショップのロゴサインは、見る人に大きなインパクトを与えるでしょう。
以上で、メンズスーツショップの環境編は終了です。
次回は、各コーナー詳細図をご紹介します。
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