今回は、前回に続きです。「スマートなセレクトショップの店舗事例」の什器事例です。

そのほとんどが、造作での什器でしっかりしたコンセプトを感じます。汎用性はあるとは言えませんが、何しら店舗づくりのヒントがあります。

是非、参考になさってご自分の引き出しというか、ノウハウを広げてください。作図事例は、とても古い物ですが、良い材料と感じますので、最後までお付き合いください。

店頭ディスプレーステージの姿図と断面図

ちょっと歪な店頭ディスプレーステージの姿図と断面図

ガラスケース什器の次はちょっと歪なディスプレーステージ什器です。
柱前に備え付けられる什器で、腰面の1部にストック機能を付加しています。

ただ、ストック内の奥行きを1300程とっています。果たしてこれだけの奥行きが必要だったのかは不明ですが、物理的に奥まで手が届かないですね。
商品にもよりますが、実際には半分の600mm程度で十分です。

これだけ大きな形をしたディスプレーステージなので分割する箇所をどこに設定するかが重要になります。

しかも仕上げが光沢あるUV塗装なので間違ったところで分割してしまうと非常に目立ってしまいます。 出来れば1体もので設置したい所です。

L型ディスプレーステージ什器の姿図

L型ディスプレーステージ什器の姿図

この什器は先回ご紹介したディスプレーステージの反対面の柱に取り付けているものです。

機能的には同じで特に注意すべき点はありませんが、図面の精度には若干の問題がありますね。

誰が作図したかは不明ですが、什器図面としては全く用をなしていません。
少なくとも2箇所の断面図がなくてはなりませんし、仕上げ記入も少ないです。

あまり良い参考事例とはいえない図面を記載して申し訳ないです。(泣)

アイランド型ディスプレイ什器の姿図と断面図

アイランド型ディスプレイ什器の姿図と断面図

この図面はアイランド型ディスプレーステージ什器の最後です。
先回ご紹介した図面と比べてどうでしょう。

断面図が、ちゃんとスケールアップして表現されています。
仕上げも向きを統一して、各箇所をさしています。

この精度でやっと最低限の精度をクリアしたに過ぎないので、基本図に毛が生えた状態と考えておいてください。

平面図上では右側柱の後ろに設置した什器で、両面にストック機能を備えています。

中央区画の売場だけにストックスペースを多く取る必要があるのでしかたないですが、売場内通路側にストックを設ける事は極力さけたいですね。

それはお客様の動線の妨げになる事と、繁忙期には忙しさのあまり乱雑になりかねない事が大きな理由です。

それでもクライアントの強い要望でストックを設ける場合は、出来るだけ扉の枚数を減らす等の工夫が必要となってきます。
日々、いろんな売場を見て提案や説得出来る材料を用意しておいた方がいいでしょう。

インパクトがあるアクセサリーショーケース什器の姿図と詳細図

インパクトがあるアクセサリーショーケース什器の姿図と詳細図

この什器は、売場の中央に設置しているアクセサリーショーケースの姿図です。

仕上げが光沢あるUV塗装となっている事もあって、平面上でもひときわ存在感ある什器となっていますね。

什器のセンターには、支給品のオブジェを差し込む貫通穴を設けているのですが、この什器の作図段階ではまだオブジェのサイズや重量が不明だったのでさほど詳しく描いていません。

売場のポイントとなっているこのアクセサリーショーケースは、4面全てを引き出すようにしているので、天板部分にはかなりの補強が必要となるので注意が必要です。

腰面には、ストック用の抽斗を各面にとりつけているのですが、商品がアクセサリーなので、抽斗ピッチもかなり細かくなっています。

各抽斗全てに鍵をつけているのですが、抽斗より鍵が目立ってしまう恐れがあるので何らかの対処はすべきですね。

ファサードショーケースの姿図と詳細図

ファサードショーケースの姿図と詳細図

この什器は、ファサード面に設置しているアクセサリーショーケースの姿図です。

中央のアクセサリーショーケースと同様に、ケースと抽斗の構成で、将来的なレイアウト変更を考慮してファサード面にも抽斗を設けています。

ディスプレー用としてひな段上にアレンジ出来る抽斗ならいいのですが、この事例ではストック用となっています。

ファサード面にストック用の抽斗を見せる事は、あまり見栄えも良くありませんのでお勧めしませんね。

例えばショーケース部分を大きくととり、ディスプレーする等ちょっとした工夫があれば、よりお客様の目を引く什器となるのでもったいないですね。

卓上ショーケースの姿図と断面図

卓上ショーケースの姿図と断面図

柱前のディスプレーステージに設置している、卓上アクセサリーショーケースの姿図です。
売場にあるショーケース什器の、ケース部分だけを残した形状で、収め的には殆ど同じです。

卓上に設置するので、レイアウトは自由に変える事が出来る利点を持っている反面、固定されていない分ステージから落ちたり、ステージトップを傷つけたりする危険性があります。

脱着式の卓上什器ではダボを使ってずれない様にするのですが、固定相手にはダボ穴を開ける事になるので、せっかくの意匠が損なわれます。

この卓上ショーケースでは底面にフェルトを貼り、ステージトップを傷つけないような処理を施しています。

しかしフェルトによって、逆に滑りやすくなってもいます。

ナミダメ(ガラス棚と棚受けのズレ防止用の透明ゴム)等のクッション材を使うと、ズレ止めにもなって天板などを傷つける事も多少は減ります。

接客カウンターの姿図と断面図

接客カウンターの姿図と断面図

平面図上で、左側の柱横にあるカウンター図です。

トップの一部に、ノートパソコンを収納する為に天板を2段階で開閉出来る様にしています。
この開閉する天板については、丁番をいかに見せない様にする点がポイントとなります。

ピアノ丁番では頭が見えてしまうので、ミシン丁番が一番妥当ですね。
その他の腰面の機能は、特別な事をしていないので見えにくいですが各立面図を参照下さい。

図面的には断面図が不足していて、パーフェクトな図面ではありません。
この場合は、別図で大きく各断面図を表現した方がいいでしょう。

店内用スツールの姿図

店内用スツールの姿図

この図面は、売場備品のスツールです。

半割にした丸太にステンレスの脚を取り付けていますが、ちょっと売場のイメージに合っていないスツールです。

断面図や詳細図は描かれていないので、詳しい事は不明です。
ただ、お客様が座られた時に脚が外側へはずれてしまわないか不安になりますね。

又、座面の角が危ないので面取りやアール加工を施す必要があります。

光沢ある白とグレーとガラスで構成された売場に、荒さのあるスツールを設置してミスマッチ感をあえて演出したかったのでしょうか?

一度デザイナーに聞いてみたいものです。

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