回遊性を意識したレイアウトプラン

平面図は、百貨店などで見られるの平場ですが、4つのメンズブランドを集約した百貨店の直営売場です。 同じテイストのファッションブランドを一つの区画にまとめて展開することは、百貨店ではよくあることです。

この平面図で特徴的なのは、それぞれの売場にある柱を上手く活用している点です。 各ブランドのサインとディスプレースペースを通路面に対してしっかりと設けています。

背の高い壁面什器を最大限確保するために、柱と抱き合わせにしたフィッティングルームも平場計画では欠かせないアイテムです。 平場(アイランド)では高さと広い壁面がないため、柱の使い方が最も重要なポイントとなります。

安易な考えで柱廻りを大きくし過ぎると、お客様がフロアを見渡すのに大きな障害となり、必ず改善を求められます。 そのため、コンパクトでありながら最も訴求力のあるレイアウトが売場のカギとなります。

また、各ブランドのオリジナル什器などは使わず、基本的に素材、色やフォルムは全て同仕様として統一され、一体感のある売場環境にしなければなりません。

それぞれのブランドカラーや個性はサインとディスプレーでの演出だけとなりますが、売場の規模を考えると十分だと考えます。

そして、統一什器にしたことで、什器間の通路巾を広く取る事ができ、回遊性を高くすることつながります。 売場にはすこしでも長く滞在してもらうためにベンチを設置して、ちょっとした休憩スペースも設けています。


この結果、平場ショップ(アイランド)でも、高い回遊性と長い滞在時間が保たれます。ちょっとしたアイディアとお客様への気配りが重要です。

平面計画に伴った什器照明図

続いては什器照明図です。
天井照明については、建築工事の区分となっていたので、今回はあえて表現していません。そのため、什器に取り付けた照明とコンセントなどの配置をこの図面で表しています。

基本的に可動棚の全てに棚下照明を取り付け、商品を明るく陳列出来るようになっています。

注意すべきは、中央什器のモール配線です。 季節やイベント毎にレイアウトが変動するので、床に埋設したコンセントでは対応が難しくなります。

その対策として、モールを利用して柱側へ配線をもってきているのです。お客様の通行に邪魔にならず、最短距離での処理が必要です。

メンズショップの基本形と考えた展開図

まずは通路面からみた展開図です。
A展開図では、柱面に取り付けたディスプレーパネルとサインパネルは、存在感も有り、各ショップの認知度を上げています。

左右の柱も同じ見え方ではありますが、ディスプレーパネルの意匠を左右反転にして、それぞれのブランドサインの見え方に変化をつけています。

この柱の見え方は他の売場でも共通意匠としてなっていて、エリアによってフレームの色だけを変える場合もあります。

例えば、レディースでは明るめの色にしたり、キッズにはもっとカラフルな色にしたりです。

次に、B展開図ではそれぞれのショップの陳列スペースとなり、共通した仕様の壁面什器に各ブランドの個性ある商品が映える見せ方となっています。

C展開図では、サインとディスプレー面のすぐ横に壁面什器を設置し、同じフォルムではありますが、少し変化をつけた見え方にしました。

続いて通路面からと売場内部から見た展開図です。
D展開図もこれまでの展開図と同じように通路面に明確なビジュアルとディスプレーでそれぞれの個性を打ち出す事が出来ています。

売場内部から見たE展開図からH展開図までは、主に壁面什器とフィッティングルームの建具を見て取れます。壁面什器の陳列パターンにも変化が与えています。

それぞれのブランドは、柱巻きを中心とした小さなショップなので、壁面什器の設置台数も限られてきます。そのため、一つの什器で数種類の陳列が可能となるように、ハンガーと棚をバランス良くセットしています。

柱巻に設置したシンプルなフィッティングルーム

各柱巻きサイドに設置したフィッティングルーム(以下FR)の詳細図となります。サイズに若干の違いがありますが、4箇所とも同じ仕様となっています。

その中に、1箇所だけ内部にFR内にストックスペースを設けているのが在るので、代表としてご紹介します。

FRの入り口には、姿見と兼用したミラー貼り建具を取付け、上部には排煙用に開口を設けています。

内部の床はフローリング仕上げとなっていて、売場の床よりも若干上がっています。

壁面には大きなミラーを2面取り付けて、どの角度からでも試着した服を見ることが出来るようになっています。

FR内にストックを作った理由として、4つあるブランドの中でも比較的の売場面積が大きく商品量も多くあったことと、少量でも商品をストックしておきたいと言うクライアントの要望があったからです。

結果、FR内部に鍵付きの扉を設置し、その中に可動棚とハンガーパイプを取付けました。以上。

それでは、その他残りのFR図面を添付しておきます。位置は、平面図を参照してください。

如何でしたか、次回は「メンズブランドを集約したの平場の計画図集」の什器図編をお届けします。純恵でした。

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