最近では健康志向で、ちまたには多くのスポーツ系ショップが点在しているようですね。
スポーツ系ショップと言ってもそのスタイルは様々で、ファッションを中心とした店舗や専門色をかなり打ち出した店舗など、かなり多くのテイストの店舗があります。
今回に店舗は、あくまでファッション中心です。ですからギアものはありません。雑貨が少しある程度の体と間隔なショップだと記憶しています。
投稿した理由は、店舗づくりの基礎として考えた結果です。私も若かりしころはこの程度の作図しか出来ませんでした。多くの要素を含んだ作図なので、是非ご自分のものにしてください。
平面プランと什器高について
さて上記の平面プランは、とあるアウトレットでのスポーツショップのものですが、ここで押さえておきたいのは、整然とした店舗レイアウトです。
店舗面積が、約30坪のなのですが、ちょっと什器を入れすぎたようにも感じますが、ここはオーナーの意見を尊重しました。
什器を入れすぎたものの、店頭のショーウィンド廻りは広い通路を取っているので、店内には入り易いアプローチにしています。
ここで店舗にとってとても大切なことは、まず「入りやすさ」と「見やすさ」を考えたレイアウトです。
先ほど什器を入れすぎたといいましたが、エンタランス部を広いスペースを設けた事で問題はクリアしたと感じます。
次に什器の高さも大切な要素なので伝えておきます。
什器高さについては、ショーウィンドバックのテーブルと両側の什器は、1200mm以下と低くしているのが分かりますよね。
そして、店内奥はというと、1350mmになっています。
これについては基本的な什器高だと感じます。どちらの店舗も中央でのボリューム什器の高さは、1350mmないしは1500mmで統一されていることがほとんどです。
たった150mm〜200mm程度の段差ですが、これだけでもs商品の見え方は違ってくるんです。
店頭から什器高を高くして、なおかつすべて同じ高さにした場合、店舗の奥にどのような商品があるかが分かり難く、お客様の回遊性が悪くなります。
この問題を少しでも解決させる為の方法として、什器の高さを替えて、店内奥までお客様を誘導することが大切なのです。
ちなみに商品カテゴリーは違えど、店頭の什器高は、600mm〜750mm。中央では1350mm〜1500mm。そして壁面となります。壁面は2100mmまでが良いでしょう。
この考え方は、あらゆる物販店での設計に応用出来ますので、是非覚えておいて下さいね。
次に、この平面プランでの天井伏図と仕上げ表を添付して終了とします。
重点照明を意識した天井計画
基本照明は、建築工事での内容で十分だったので、内装工事では、重点照明だけを増設しました。
予算の無い中、これだけ配置すれば良いとしましょう。
上記は、この店舗の仕上げ表です。基本設計が終了した時点で仕上げる方がロスが無いので、私はいつもそうしてます。
仕上げって予算やクライアントからのリクエストで常に変わることがありますからね!
ほんと簡単な平面図で申し訳ないですが、これを描いたのがもう25年前です。
しかし、そのひとつひとつを見ていると今(2020年)の店舗と何ら基本は変わらないと感じます。だから、店舗設計もそうですが基本が肝心なのです。
ファサード立面と店内展開図
上部下部の作図が、D展開図がファサードの立面図となり、C展開図は店頭入って右面に当たります。
当時の店頭ってみんなこんな感じが多かったようで、サイン付きのフロントボーダーで店の顔を出していたようです。
今回の事例は、ことのほか旨くまとめられた感がありました。ですから投稿したわけです。壁面の整理も、レジ廻りもシンプルで、店舗設計初心者さんにとって勉強のネタにはなりますね。
それでは、どこが良いかを探ってみましょう。
まず、壁面構成が良いですね。店頭にはミラーパネルを設置した後は、システム壁で構成されています。無駄が無くシンプルながらコスパ感がありますね。
着色した図面で無いので申し訳ないですが、このゲートを設けることで意匠的に強調出来る事(ゲートのマテリアル変化)と、商品構成上でも役立つものになります。
というのも、このエリアだけを他の売場との差別化で高級品などを置いて変化を付けるのです。
ゲート内に演出照明を施せば、店頭からもよく目立ち入店客の回遊性は助長され、お店にとって良い効果が生まれることでしょう。
この店の2番目の顔と言っても過言ではないでしょう。
注意点としては、ゲートの位置バランスが非常に重要です。この物件でのゲート高は2700mmに設定しましたが、天高の3800mmとのバランスはとても良いと判断します。
また、レジ廻りの簡潔さも良いでしょう!
壁面については、2100mmまでを商品展示として、その上はディスプレーに徹する。ですから2100mmの位置に横一線で固定棚を取り付ける。
見やすさ、触りやすさが店にとって一番の要素ですから!
今回はいつもと違って、展開図の準番が違いますが、間違わずに見てください。尚、店頭から入って左面A展開図も確認しておいてください。
どちらの展開図もすっきりしてシンプル感が漂いますが、これでいいんです。お店が出来るだけ目立たないようにするのが私の考え方です。
商品が入って初めてショップの楽しみや、賑わいが出てこそ店舗と言えるのでは!っていつも考えています。
店舗設計に必要な店舗内の主要断面図
まず、店舗にはそれぞれの壁面がありますが大概が、LGS+PB下地で仕上げを決定していきます。
ただ、今回に事例のように壁面造作が発生する場合のみ、このような断面図を描いておくようにしています。
では、上記作図をご覧ください。この程度の造作図面は決して難しいものではありませんので、あなたが店舗設計する折は、親切心でもって描くように心がけてください。
この店舗事例では、店舗奥の壁面に「ボーダー」にも似たゲートのような造作をしましたので、ある意味しっかり描かなきゃと思います。
店舗奥の売場はなかなか売り上げが取りにくいとき聞きますよね!
やはりここは、設計者が何らかの手法で奥までお客様を誘導する装置的造作を考え、店側の悩みを解決することも設計者の義務です。
まあ、今回の事例は特に凝ったことはせず、間接照明を取り付けただけなのですが、効果も無きにしも非ず。って考えで何もしないよりはましだという念もありましたから。
それほどコストもかかりませんし、このボーダーに電飾サインを取り付ければかなりの効果があると判断したまでです。
店舗って生きているのです。設計者のちょっとしたアイデアで生まれ変わることを認識しておいてください。
壁面断面図と照明器具について
それでは最後になりましたが、再度上記の断面図で見て下さい。照明器具による壁面の見え方を説明します。
左側の断面図ではゲート底面に幕板と間接照明を取り付けて、壁面上部を明るくしています。
一方、右側の断面図ではダウンライトで直下の棚や什器を明るくするしています。
店舗設計において、この照明器具の使い分けが演出効果にはとても重要な要素となるんです。
照明メーカーのプロまでの域にまで達する必要はありませんが、ある程度基本的な照明の用途を把握しておいた方がいいでしょう。
ベースとなるダウンライトや、演出用のスポットライト、壁面にはブラケット照明、飲食店などではペンダント照明もあります。
列挙していけばまだまだあるんですが、今回は割愛しますね。
それぞれの照明器具にも光の色や強さがあり、どんな光の演出が出来るのかも様々です。
今回掲載した間接照明の代表的な器具はトラフです。これは一般家庭にも多く使われている蛍光灯なんです。
線状の光で比較的廻りを淡く照らす事から、間接照明用の器具として選ばれています。
一方ダウンライトは円錐状の光で直下を明るく照らすので基本照明やスポット的な演出等に多用されます。
とても大ざっぱな分け方ではありますが、照明メーカーのサイトやカタログなどを見れば、概ねは理解出来るでしょう。
因みにどのメーカーもこんな写真付きで載っているので参照してください。
まとめ
如何でしたか?問題なくすんなりと進めたと感じます。この作図事例こそ店舗設計の初歩的な要素があります。ベテランお人には朝飯前の作図でしょうが、誰でもがこの程度の作図を描いてました。
初心者の方は、必ずマスターして欲しい図面ですので、時間が許す限り読み取りをしてください。また、CADはそれほど難しくなく簡単に覚えることが出来ます。
特に、ベクターワークスはそう感じます。私もCADを触ってまだ20年足らずしか経ってません。元々は手描きでやってました。
時代の対応するのも対面でしたが、こればかりは仕方の無いことですね。しかし、やはりCADは仕事が早いって感じます。是非挑戦してみてください。
次回は、店舗の什器や造作物などをお届けします。
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