先回に投稿した、ニューヨークスタイルのレディースショップ、今回は2回目として、主に店舗内でのそれぞれのコーナーの詳細図をご覧頂きます。

店舗設計の折は、必ずと言って環境図(平面図、天伏せ図、展開図、電気図)が必要です。それと共に設計を進める上に置いて、コーナーの詳細図が必要になってきます。

ある人は、平面詳細図なんて呼ぶ人もいますが、私はコーナーの詳細図と呼んでいますが、この件についてはまちまちです。

要は、環境図だけでは整理が付かない作図を縮尺を大きくして描く図面と思ってもらっても良いです。

滑車がワイルドさを演出する壁面什器

先回の店舗環境図に続いて、今回もレディースセレクトショップで、活躍する特徴的な什器群をご紹介します。

まず、滑車を使ってワイルドさを演出している壁面の吊り式什器ですが、確かにこの斬新さは目を引きます。

しかし、この見せ方にも問題があります。 というのも、このハンガーは、上下のシャフトで固定はしていますが、非常に不安定なのです。

壁面からの支持もなくシャフトだけで、維持しているようなものなので、前後の揺れにはとても厳しいものがあります。

使えることを考えるならば、ハンガーに数点掛けてディスプレー要素を生かした販売が良いように感じます。

デニムの品揃えを幅広く展示できる棚

次にこのショップで、唯一の棚陳列になっている壁面です。
スチール色の強いなか、この壁面だけが素材、カラーも暖色系の色を使うことで差別化を図り、引き立っています。

注目したいことと言えば、ラダーを用いたことです。最上段の棚の前に、スチール丸パイプを取り付け、そこに横スライドするラダーを取り付けています。

これは、あくまでも演出用としての目的で設置したラダーです。

実際に使うのであれば、パイプを十分に補強しなくてはなりません。(これについては、別サイトで詳しく説明します)

ただ、現状での納めでは、実用的ではありません。

使い勝手に気を配られフィッティングルーム

フィッティングルーム(以下FR)は、これまでにも多くご紹介してきましたが、共通して言える事は、機能的な利便性を特に考えるところです。

単に試着をするだけの空間なのですが、きめ細かい心配りが必要です。

例えば、FR内ミラーについては、そのサイズをとっても売場にあるミラースタンドのサイズでは全身を見ることはできません。

また、ミラーを2面を使えばいろいろな角度で試着した商品を見ることが出来ます。

ミラーの他にも、夏季限定ですが、壁面上部に小型扇風機用としてコンセントを付けておくことや、スツールを設置している所もあります。

このショップは、商品がちょっとお高くなっていたので、お客様には気配りが必要なのです。

効率を考えた吊り式ハンガーパイプ

上の作図は、ショップ壁面の殆どに設置されている天井吊りのハンガーパイプです。まず初めに注意点をひとつ挙げておきます。(前述した什器と納めは同仕様です)

こういった天井から吊っている造作物は、前後の振れが非常に問題視されます。ですから、固定方法は殆どがスラブにアンカー止めをするようになっています。

アイデアを感じたのは、ハンガー上のサインボックスです。この照明ボックスの面には、陳列する商品のブランド名をカッティングシート貼りにて表現しています。

明確で視認性があるこの手法は、ある意味「VMD」と言っても良いでしょう。

ロートアイアン仕様のシングルハンガー

ここからは、レディースセレクトショップの什器群を何点かご紹介していきます。まずはシングルハンガーです。

このショップのオリジナルとして製作する什器ですから、素材もちょっと個性のあるロートアイアンを使用しています。
もちろん共通仕様です。

ただ、オリジナルと言っても一般的なシングルハンガーの足下をちょっと変えただけのように見えます。

従来のショップであれば、真っ先にコスト調整の対象となるので最初から既成のものを使う事が多いです。

しかも、このハンガー系の什器には意匠を施す箇所があまり無く、コストを掛けてまでこだわるものではないと判断されがちです。

では、実際にどれだけのデザインバリエーションがあるのかを見てみましょう。

画像提供元:左から株式会社杉山製作所什器.comストアエキスプレス

上のハンガー類は、代表的なタイプですが、左からハンガーパイプを両側の支柱を変えたタイプ、本体自体を一体型にしたタイプ、ステージを付けたタイプと、おおまかにこの3種類に分類されるでしょうね。

ビッグテーブルの外観図

このビッグテーブルは、多くの商品を陳列出来る什器です。
しかし、単にボリュームだけに特化した什器ではないんです。

ユニクロやギャップのようにサイズやカラーなどでカテゴライズした商品と関連するアイテムとを組み合わせて陳列出来るように計算された大きさになっているんです。

ただ、これだけの大きさなので、ショップ面積に大きく影響される所が難点です。

以下は、同じ考え方のビッグテーブルですので、ことらも参考にして下さい。

こちらのビッグテーブルは主にディスプレイ用として使われています。

サイズ的にはほぼ同じで、山型に組んだパイプ脚にしています。アウトドアテーブルのようなイメージを受けます。

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