今回は、百貨店でのインショップ出店の図面事例をご紹介します。

地方百貨店の事例ですが、有名なメンズアウトドアショップです。
レイアウトとしては、参考になるものと感じています。

VPゾーンが明確な平面レイアウト

インショップ出店のメンズアウトドアショップの平面図

店頭には、明確なVPゾーンを配置しています。
こぢんまりとした店舗ながら、VPゾーンがあり、ハンギングとたたみの陳列、オペレーションスペースと、明確なレイアウトになっていると感じます。

ただ、店内中央に配置されている什器の向きが受けになってます。
店内奥にお客様を導くときは、什器の長めを店舗リースラインに垂直に配置するのがセオリーです。

店舗エントランスのワイドが広く、レイアウト上では縦で流したいところですが、この場合は仕方ないかもしれませんね。このレイアウトのような、例外もあることでしょう。

オーソドックスな壁面が落ち着きを感じる展開図

インショップ出店のメンズアウトドアショップの展開図

ファサード、店内奥壁面と左右の壁面を描いています。

このメンズアウトドアショップは、マニュアルがしっかりしていましたので仕事は非常に楽でした。

当時は、このメンズショップ以外に「ノーチカ」や「ゲス」などのショップもうちのスタッフと手分けして設計していた記憶があります。
デザインには携わることは出来ませんが、海外のショップマニュアルのおかげでVMD及び、什器はかなり勉強させて頂きました。ありがたいことです。

スタイリッシュな雰囲気のレンガ柱

インショップ出店のメンズアウトドアショップのレンガ柱

レンガを貼った柱に、ラッカー塗装の木ボーダーというか見切りで柱を絞めています。
アウトドアショップなので、カラーでの表現は無いと考えます。

レンガタイルもこのサイズだと、都会的な感じがしていていいですね。
これまでいろいろなアウトドアの店を見てきましたが、このショップに関してはスタイリッシュな雰囲気を感じます。

二通りのシステムを利用した壁面什器

インショップ出店のメンズアウトドアショップの壁面什器1

店内右手壁面と奥壁面の、オーソドックスな壁面什器です。

デザインは違えど、ほとんどがこの形式のものが多いと言えます。ジャケットやベストなどを主として陳列、販売するのでしょう。

注意することは、そのシステムにあります。什器のシステムは二通りあると覚えてください。

ひとつは、スリットというシステム。
もうひとつは、方立にダボを取り付けたシステムのあり方です。

おそらくこれ以外のシステムはあるでしょうが、あまり見ることはありませんね。最近は店舗コストもあまりないため、この手法だと考えます。

そして、もうひとつ。
このサイトでも、フェイスアウトハンガーという言葉がよく出てきますが、サイズ的にはこの作図のものが非常に参考になります。

次の事例は、壁面什器の棚構成されたものです。

インショップ出店のメンズアウトドアショップの壁面什器2

ジャケットのインナーにあたる、セーターやシャツ等の商品を販売するのでしょう。

棚には、棚板照明を取り付けることで商品を見やすく、買いやすくしています。
特に商業空間での基本照明が貧しいところでは、この棚板照明は効果を発揮します。そのため、最近では棚板照明を付けることは、当たり前になっているようです。

昔では考えられませんでした。店も進化するということです。

次に、左手壁面のスリットシステムです。

インショップ出店のメンズアウトドアショップの壁面什器3

方立がないため、壁面に600ピッチでスリットを埋め込んでいます。
機能は左手の壁面什器と同じで、フェイスアウトハンガー、木棚、ハンガーパイプとなっています。

ちょっと残念な造作フィッティングルーム

インショップ出店のメンズアウトドアショップのフィッティングルーム

コーナーに配置されたFRです。

この頃のフィッティングルームは、虐げられることが多くサイズが小さなフィッティングルームが多かったことを思い出します。このフィッティングルームも、狭いですよね。

当時は、売り場優先と考えられていたのでしょう。
機能が良く気配りができていても、狭苦しいフィッティングルームはお客様が窮屈に感じるだけです。メンズの場合は、サイズには気を付けましょう。

20年前では、百貨店の什器はほとんど高級感が漂ってました。 しかし、コストのない内装費用は最近ではかなり厳しくなり、木部はほとんどといって化粧板かシート貼りの世界です。  私の場合は、良い時代に多くを勉強してきましたから今の若者はちょっと可哀想な気がします。 なぜなら使用する素材が限られることで、覚えるチャンスが無いからです。

サービスカウンターとストック什器

インショップ出店のメンズアウトドアショップのサービスカウンター
サービスカウンターと、ストック什器です。 この2つの什器は、L型にレイアウトされていますので、まとめてご説明させていただきます。
位置関係は平面図で確認してくださいね。


このショップの場合サービスカウンターの機能は、お客リストとFAXのスペースだけをしっかりキープしてやれば十分です。
最近では、パソコンの普及でFAXは少なくなりました。その代わりに、プリンターのスペースをとってやることが必要になります。

次に、ストック什器です。

インショップ出店のメンズアウトドアショップのストック什器

お直しやお取り寄せ商品が多いアパレルショップには、必要な什器です。L型にレイアウトされているので、カウンターと重なる部分はFIXになっています。

右側の開き戸にツマミが取り付けられていますが、ここはカウンターの機能側になり、スタッフが作業をするスペースになります。
ですので、凹凸のないプッシュラッチやマグネットキャッチにした方が安全ですね。

アウトドアショップの中央什器

インショップ出店のメンズアウトドアショップのテーブル什器

メンズアウトドアショップ、最後の図面は2種類の中央什器になります。

ファサードに置かれたネストテーブルは、ディスプレイ用です。人気商品やシーズン商品をアピールするので、テーブルはシンプルなデザインが理想ですね。

最後に中央に2台レイアウトされた、棚什器です。

インショップ出店のメンズアウトドアショップの棚什器

アパレルショップでは、よく見かける什器ですね。
トップはガラスの天板、その下は木棚とステージになっています。面材を使っているので、高級感があります。

棚什器は、天板にコーディネートしたディスプレイができますし、その下に買い場として在庫を用意することもできます。色々な使い方ができる什器です。

以上で、インショップ出店のメンズアウトドアショップ図面事例は終了です。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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