今回は、アメリカのアウトドアブランドショップのご紹介です。

日本上陸してから、もう25年以上にはなるでしょうかね。

当時は凄く人気がありましたが、私思うに、ちょっと縫製が悪いような気がしました。


設計をした当時は、メンズ・レディース・キッズのファミリータイプで展開されていた、そんな店舗の図面事例です。

では、環境図から始めます。

VMD計画か明確な平面レイアウト

アメリカアウトドアブランド大型ショップの平面プラン

100坪もある、大型カテゴリーショップです。

オーソドックスなアウトドアブランドのため、奇抜なレイアウトもなくシンプルにまとめられています。

店舗作りは、SPA形態なのでVMD計画はしっかりしていますね。このサイトでも紹介してる店舗にも見られる形態です。

什器の種類も少なくすっきりしたショップ造りを目指しているようです。アウトドアショップでありながら、都会にマッチした雰囲気を漂わせます。

このショップの資料もほとんど残っていますので、今後は順を追ってご紹介していきます。

まずは、ファミリーショップとしての平面計画でした。

CH4500mmの天井伏せ図

アメリカアウトドアブランド大型ショップの天井伏せ図

この天井伏せ図は、変化に富んでいます。

元々の天高がCH=4500mmあり、かなりの高さがあります。そこで、壁面廻りを1000mm落として変化を付けました。

こうすることで、空間全体が間延びせず、壁面にお客様の目をひくことが出来ます。

アメリカのショッピングセンターは、全般的に天高が高いのでよくこういう手法を使います。

しかし、日本のショッピングセンターの場合、これほど天井の高い店舗は、滅多に見るとはありません。

ただ、このショップは商業施設の1階にあるので、高かったのでしょう。

尚、配当図の資料が現在見あたりませんので、悪しからず。
資料の整理を、如何にしていなかったことが悔やまれます。(泣)

床は木彫フローリングでアウトドアのイメージを表現

アメリカアウトドアブランド大型ショップの床伏図

次に、床伏せ図をご覧下さい。

このショップは、アウトドアショップということで、やはりイメージ素材としては「木」ですね。

アメリカのショップマニュアルでは、フローリングを設定していました。しかし、コスト調整のために、ここではタジマの塩ビタイルで処理しました。

店頭にも同じく、塩ビタイルのテラコッタ風のモノを選んでいます。路面店ではないので、逆に塩ビタイルの方が、逆に馴染むかもしれません。

最近では、いろいろな模造品があるので、デザイナーもマテリアル選定が楽になりました。

コスト調整は大変な作業ですが、大切なことはどこにお金をかけるかが重要です。

VMDが容易に出来る壁面であり、変化は様々です。

アメリカアウトドアブランド大型ショップの展開図1

続いて展開図です。ファミリーショップ《アウトドア》展開図です。

通常大型ショップでは、無機質な壁面が連続して間延びした「壁面だらけ」になってしまいます。

これでは、お客様の店内回遊は減少してしまいます。しかし、今回の展開図は、要所要所にフォーカルポイント設置しています。

上の展開図にマーキングした箇所は、フォーカルポイントを示します。というかこの箇所をしっかり「くくる」ことでショップにメリハリを付けるわけです。

最近こそ、どちらのショップでも、多かれ少なかれこの事例のような手法で、壁面は表現されています。

しかし、当時(35年前)は、フォーカルなんて言葉も無く、ましてやVMDの意味も分からないままショップを作っていたようです。

特に大型スーパーの売り場は、唯々、商品を見せるだけで精一杯。もう、変化の無い売場で見るも忍びない状態でした。

私は、これにいち早く気付き、某スーパーにVMDの提案したことを覚えています。

尚、この展開図は、店内だけでなくバックヤード内も全て描かれています。 どの面を描いているのかは、添付のキープランで把握してください。展開指示図って言っても良いでしょう。
アメリカアウトドアブランド大型ショップのキープラン

当時は、このような大型カテゴリーショップの展開は、あまりなされていませんでした。

このショップは、ある意味で「先駆け」的ショップの代名詞でもあったように思われます。

そして、このショップの形態を模するショップも増加しました。特にジーンズショップは、素材は違えどほとんどが、この形態でした。

やはり、良いモノは真似されるのは当然です。

アメリカアウトドアブランド大型ショップの仕上げ表

左に添付したのは、仕上げ表です。

このように、仕上げを表にすることで展開図が見やすくなります。

仮に、仕上げに変更があった場合でも、全ての図面をチェックする手間がなくなります。この表のみの変更で済みますので、大変便利です。

ただし、展開図に記入した記号は修正する必要があるのでお忘れ無く!

では、展開図2です。
店内と、フィッティングルーム入り口廻りを描いています。

アメリカアウトドアブランド大型ショップの展開図2

展開図3は、主にバックヤードです。かなり細かく分けて描いています。

アメリカアウトドアブランド大型ショップの展開図3

ところで!!

この展開図を見て、何か違和感を感じませんでしたか? 「え?」っと思った方、もう一度、キープランと1枚目の展開図を見てください。

お分かりになりましたか?
そう、「1展開図」がないのです。「1展開図」は、ショップファサードなのです。

ですので、次回の投稿で詳細図を含めてご紹介させていただきます。
お楽しみに!

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