先回に続き、今回は『インテリアショールームの店舗事例〈什器編〉』を届けします。
什器と言っても、その半分以上の什器がメーカーの持ち込みとなった現場でしたから、確かにこういったショールームの什器数より少なくなります。
では、進めて行きます。
ディスプレーステージの姿図とその詳細図
ショールーム内で最も目立つ位置に設置しているディスプレイステージをご紹介します。エンタランスにエンタランス照明に配置しました。
2種類の高さのものを用意し、高低差のあるディスプレイが可能となっています。それぞれ2台ずつあるので組み合わせは何通りも考えられます。
このショールームではありませんが、実際にステージを設置したイメージフォトがありましたので添付しておきますね。
まぁ、ステージってほとんどが同じフォルムをしています。ただ、今回のステージはちょっとした工夫を施しました。
五面体をスリアクリルを使用し、内部に光源を取付け、ステージ自体を演出照明として設置したわけです。結構受けましたね!
上のこのステージの仕上げは、化粧板仕上げとしてますが、アイキャッチとして、より際立たせるならこれも内照式にしても良かった気がします。
そして、シーズンによって照明の色を替えてみるのも、いいかもしれません。
照明器具の展示と見せ方のアレンジ
この図面では照明器具を展示する、天吊りボーダーとステージを描いています。特に展示の仕方が工夫されている所はありません。
これでは、ありきたりな見せ方で、実際にお客様の自宅で取り付けたイメージを、思い浮かべて頂くにはほど遠いものが在ります。
なので、もう少し演出の手法や、見せ方を変えれば良かったのですが、余分なスペースが無かったのこの結果です。
仮に考えるなら、他のインテリア商品と実際に組み合わせてシーン演出すれば、よりリアリティある見せ方が出来たようにも思います。
また、単に吊ったり置いたりする見せ方をアレンジする事も考えられますね。以下の写真を見てください。
左側のイメージはテーブルセットを置いただけですが、照明の明るさや暖かさなどを実際に座って体感できるようになっています。
そうすることで、お客様の想像を膨らます事ができるんです。
変わって、右側のイメージは、照明器具をランダムなボックスに吊ったり置いたりしているだけです。しかし、最初にお見せした図面とは全く違った見え方ですよね。
このように、ちょっとの工夫やアレンジで見せ方にリアリティや変化を付けることが大切なのです。
他にも色々な見せ方やアイディアは、街中にありますので、勉強がてリサーチでもしてみては!
以下の作図は、ステージに変化を付けるためのステージ及び、サイコロです。
カーテンの展示方法はまさにこれ!
この図面はカーテン生地を展示する壁面什器です。各スパンの上下にカーテン生地を吊って展示しているだけです。
生地サンプルとして見た場合には、綺麗に整理されていて良いのですね。しかし、何処にも演出している場所がありません。
照明器具の展示と同様に、このショールームではお客様が自宅の窓を想像して「どんな生地で、色はこんな色」等と思い巡らしてもらう事が最も重要ではないでしょうか?
なので、やはり訴求力ある演出が、必須となってくるのです。
手法はいろいろありますが、以下もひとつのアイデアとして参考にしては如何でしょう。
さて、窓を飾るものは必ずしもカーテンだけではありませんよね。ブラインドやロールスクリーン等もあります。
これらは基本的に同じ吊る商品なので、見せ方も応用が効きます。
下のイメージを見てもらうと上段には、展示物を正面吊りしていますよね。
単に生地を並べているより、柄や色がはっきり分かります。
天井高さがあるショールームだから出来るという訳ではありません。
物販店と同じようにコーディネイトするスペースを設ける事が大事だと言うことなんです。その場所が単に上にあるだけで、カーテンを並べている1スパンを使っても効果はかわりません。
よりリアリティある演出をするのであれば、寝室やリビングなどのシーンを創ってあげる事ですね。
物販店もショールームもより良く商品を見せるという点では共通しています。なので単に並べるだけでは訴求力ある見せ方とは言えないですよね。
カーテンコーナーの壁面什器は、上記だけではありませんので、残りの什器も入れておきます。平面図と照らし合わせて
勉強してください。
接客カウンターの有効寸法について
平面図奥側にある接客カウンターの作図です。
ショールームでのカウンターの役割は殆どが接客用となってるので、フォルムも極々シンプルですね。
機能的にパソコンやプリンター等を設置する場合もあります。
しかし、ショールームの規模によっては単に受け付けのみで、接客用のイスもないケースもあります。
さて、ここで皆さんに質問です!
接客カウンターを設計する上で、一番重要な点が何かご存じでしょうか?
それは、お客様側が座るスペースのサイズにあります。
詳しくお知りになりたい方は続きを読むからご覧ください
今回のカウンターを例にとって見ると、お客様が座るスペースの奥行きは、300mmですね。高さは事務机とほぼ同じの700mmです。
この寸法接客カウンターにおける有効寸法のミニマムサイズと設定してもおかしくありません。
これ以下の寸法になると座っているだけでも違和感を感じたり、卓上で物書きする時に無理な姿勢となってしまいます。
また、座るイスにも気を付けて下さい。
デザインを優先して座り心地の悪いものだったり、自由に動かせるキャスターがなかったりするものは避けておいた方がいいですね。
この接客カウンターでインテリアショールームの事例は最後となります。
ショップ違って意匠性はありませんでしたが、共通する見せ方という点で参考にしてもらえれば思います。
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