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ライフスタイルショップ_各エリアを演出する造作図事例_Part2

モダンな生活雑貨を扱うライフスタイルショップの展開図1

ライフスタイルショップは、コスメやファッション、インテリアからステーショナリーや生活用品など、様々な商品を取り扱っています。そのため、各商品が映える見せ方をしなくてはなりません。

今回は、店舗内での各コーナーごとに違った演出を施した壁面や柱、ファサードサインなどの造作関係の図面事例をお見せします。

まず、各エリアがどこに位置するのかを確認していただくために、平面図を再度載せておきます。

ショップの顔となるファサードゲートサイン

このボーダーは、展開図を見ていただければ、すぐに分かるかと・・・。

25×40のスチール角パイプを素地で取り付け、その後シート貼りで仕上げています。焼き付け塗装よりかは、ローコストに繋がります。

この詳細図の位置がどこか分かるように、展開図の一部を入れておきました。

位置関係は、お分かりいただけたと思いますが、如何でしょう!

この頃は、店頭でも大型店の売り場サインベースとし、スチール角バーをよく使用されていました。

まあ、スタリッシュな感覚があるので人気を集めた感があります。今でも、十分通用する店頭ボーダーだと確信します。

スチールでもよいのですが、最近ではアルミの角パイプでもいいように思います。

軽くて、重量を気にしなくて済むからです。

尚、箱文字については多くのメーカーさんが、切磋琢磨しているようなので、箱文字で検索してみてください。

びっくりするぐらい出てきます。

インパクトのあるレジエリアゲート

図面を見ていただければ分かりますが、最近のショップでのレジバックのほとんどが、このレイアウトが多いことでしょう。

レジの位置も、ショップ名も明確になり認知度が上がるのは確かなようです。

私が記憶に残るのは、「RIGHT ON」ってアパレルショップですね!

このレジバックは平面図の奥に位置しますが、カラーリングしたゲートで視認性を高めています。

この位置になります。


このコーナーには、レジが配置されますが、雑貨店と言うこともあってかなり大きなサイズのレジ台が配置されます。(W=3600mm)

では、アーチ部分の断面図をごらんください。

これは、レジバックをもっと認知してもらうための演出です。

ゲート上と、ゲート内での間接照明を表したのですが、ご理解いただけますか?

ゲート上部の間接照明は演出照明と考え、ゲート内ではサインへ当てる期待も持てます。

ダウンライトの取り付けも、効果が期待できますね!

この手法でのショップは多く見られますので、ショッピングセンターなどを回遊すれば面白いアイデアがあるかもしれませんね!

店内に2ヵ所、存在感のある柱廻り詳細図

インテリア・ステーショナリーコーナー

さて、このショップでは2カ所に柱が存在します。店舗設計者として、この柱って言うのが絶えず付きまといます。

しかし、そこをうまく使うのも技のひとつですが、雑貨店と言うことでそれほど難しいとは感じないでしょう。

1つ目の柱は、レジ前にあるインテリアとステーショナリーコーナーです。
左の立面図がインテリア、右がステーショナリーになります。

インテリアコーナーでは、ワンバイワンシステムを取り付け、商品の見せ方の自由度を助長させます。

このシステムを使うことで、壁面はアイキャッチャーとなりお客様を、店内の奥まで誘導することが可能となります。

※こちらの画像は、ワンバイワン様からお借りしています。(ワンバイワンシステムHPより)

上の写真はあくまでサンプルですが、バリエーションがあって店舗に変化をもたらせます。

右の立面図はステーショナリーですので、商品のほとんどが小物です。ですので、このような棚構成の什器が相応しいでしょう。

三面の壁面ではスリットを取り付け、照明での透過性もある可動式のガラス棚を取り付けます。

いたってシンプルな構成なので、商品は浮き立ちますね!

シーズン雑貨コーナー

2つ目の柱は、シーズン雑貨コーナーです。
こちらでも、柱周り全面にワンバイワンを再度使用しています。

季節によって商品が変わるので、ディスプレイに応用のきくワンバイワンシステムは使いやすいことでしょう。

左の立面図は通路側になるため、ショップファサードらしくベースになる壁面自体は変化させています。

やはり店格を上げるためには、イメージアップに繋がる素材が不可欠です。
そこで高級素材であるボーダータイルを使用してみました。

ただ、これについては好みがあります。
生活雑貨ですので、もっと淡いカラーでもよかったのではないかと考えます。

ちなみに、ここではタイルメーカー「ダイナワン」の製品を使用しています。
⇒ ダイナワン

さて、ここで注意点を!

このエリアには、この店舗の提案スペースでありメッセージを伝える場所でもあります。
通路を歩くお客様が思わす足を止めてしまうような、シーズンごとにディスプレーを変化させます。要は、インパクトを与えなければなりません。

そのためにも、照明器具は必須です。
ですので、必ずコンセントを設けてください。

では、続いて詳細図事例を載せておきますのでご覧ください。

■平面詳細図
ここでは、ワンバイワンシステムのワイドを指示をしています。

■壁面断面詳細図
こちらで、明確に理解できるでしょう。

このような構造になっています。
たまにこの詳細図を、別物件でも描くことがありますが、しっかり覚えていないとすぐには描けません。

ですから、私は自分なりの「虎の巻」を作成しているのです。
コピペで、作業スピードアップさせることもできます。
みなさんも是非、「虎の巻」を作っておくようにしてみては!

多様性ある棚構成でMDが際立つ壁面詳細図

ファブリックコーナー壁面詳細図

柱廻りの次は、ファブリックコーナーの壁面詳細図をご覧いただきましょう。

位置関係は、平面図をごらんください。
⇒ 数々のMD展開で構成された平面プラン

レジ廻りと、右奥壁面にある「B」什器です。

どこにでも見かける壁面システムですが、生活雑貨とあって棚の構成には多様性が求められます。

作図は、かなりしっかり描かれていて、とても理解しやすい図面です。

俗に、こういうスタイルをニッチ什器とも呼ばれています。
要は、ボーダーと帆立とで構成されたかたちです。

言ってみれば、ライフスタイルショップでは、このスタイルがいちばん合っているのでしょう。

素材やカラーリングの変化などで、メンズやアウトドアなどのショップで活用できる什器スタイルかもしれませんね。

また、間接照明をうまく使っていることで、ここでは優しい生活空間を醸し出しています。

とてもよいアイデアだと思います。

さて、この図面を見ると、立面図の横には断面図が2つ描かれていますね。
このショップでは、左右の壁面はH2490の什器で構成されていますが、奥壁面だけはH2190の什器になっています。

もう一度、展開図でご確認ください。
⇒ ライフスタイルショップの展開図

レジ廻りは什器高を調整して、簡易スツール類を展示しています。
こういった演出は、「ロフト」を感じますね。

いやいや、良いところはどんどん真似って良いと思います。

本来なら、同じ機能でも高さが違えば、その図面は必要です。
ただ、今回は時間が少なかったということで、こういった表現にしたようです。

照明器具については、今はほとんどが「LED」ですので間接照明のスペースはこれほど無くても用を足しますね。

昔は、みんなこういった仕様でした。(図面が古い?)

カーテンコーナー壁面詳細図

次は、奥壁面の1番右にあるカーテンコーナーです。
イメージが分かりやすいように、カーテンのサンプルを吊る什器です。

インテリアショップで、よく見られる演出ですね。

カーテンは、畳んだ状態で置いていても、どんな感じなのかイメージしにくいものです。
でも、こういった什器なら、お客様が直接手にとって素材感を確かめたり柄を確認したりでき、購買に繋がりやすくなることでしょう。

幕板には、4本のカーテンレールが取り付けられていて、たくさんの種類のカーテンをディスプレイすることができます。

また、妻板には5mmの目地加工がなされています。

これは、ファブリック什器の妻板と重なるため、段差が出ないよう意識したようです。

キッチンコーナー壁面詳細図

続いては、右壁面のキッチンエリア什器です。
平面図では「A」什器と表記されています。

左壁面の、バス・サニタリー、リラク・コスメ雑貨も同仕様の什器と考えてください。

ニッチスタイルの什器は先回説明した内容とほぼ、変わりはありません。

ただ、商品にが変わりますので、それに合わせた備品には変化があります。
キッチン商品だけにフック類が目立ちます。

後、気がつくと言えばキッチンから来る言葉に合わせた清潔感を出すために、棚ガラスを使用したことにあるでしょう。

ちょっとしたことですが、細かい仕様をよく考えられていると感じます。
バス・サニタリーやコスメ類にも、同じことが言えますね。

図面的にはこれもよくやる手と言えば、妻板での間接照明ですが、これはかなりの効果が期待できますね。

それでは、その妻板の詳細図も参考にして自分の引き出しをもう一つ増やしてください。

服・服飾雑貨コーナー壁面詳細図

ライフスタイルショップの壁面詳細図は、このコーナーで終了です。

この壁面什器システムは前回と同様のシステムを使っていますので、もうご理解頂いていると解釈いたします。

ただ、商材が前回と違いアパレルコーナーとなっていますので、スリットピッチが違うのと、備品が違う程度です。

言葉で言ってしまうと簡単なようですが、実は設計者にとってはかなり悩ましい店舗設計になってしまいます。

店舗広しといえど、これほど多くの商材には疲れますね!

ましてや、得意分野じゃないだけに苦労することも多いと感じます。

大きな失敗を防ぐ方法として、二人で設計することが良策です。

設計人件費は、確かに上がりますがまず、失敗はないでしょうね。

冷たい言い方かもしれませんが、この店舗だけに関わっていられないこともありますし、私は安全牌を優先順位と考えます。
おかげで、スタッフの多少はいますから・・・・・。

まあ、余計な話ですが生きていくためにはある程度の判断がいると言うことです。

さて、本題に戻りますが、と言っても前回と同様の仕様、施工方法も全く一緒ですから、以前の図面事例を参考にお勉強してみてください。

いろいろな要素をを含んだ壁面什器ですので、これは必ずマスターしていただきたいと切に望みます。

店内のアクセントとして設置される天井吊りボーダー

雑貨店に限らず、天井吊りボーダーは昔からよく使われるパーツです。
これを取り付けることで、店舗に締まりを感じます。

特にショップ空間がやたら広いときなどは、ポイントとしてエリアに取り付けることは確かに効果がありますね。

今回も同様で、この雑貨の天高は3200mm。

今ではそれほど高いとは思いませんが、やはり店舗としては締まりに欠けると感じます。

次に進みますが、その前に全体平面を確認し他方が良いでしょう。

設置場所は、以下の通りですがちょうど店舗の中心位置で、この天井吊りボーダーの役割は否めません。

向かって、右サイドが店舗のエントランスですが、位置関係は理解出来ますか>?

このふたつの柱を覆うように取り付けますので、このエリアは締まりが出ると思われますが、如何でしょう。

この「締まる」という言い方は関西圏なのかどうかは分かりませんが、私はよく使います。

天井吊りボーダーの用途としては、特に商品を販売する場所ではありません。

しかし、演出効果のあるディスプレイ小物や、シーズン演出などを施せば、エリアとして店舗として賑わいを助長させます。

強いては、お客様への訴求効果も促進させると感じます。

ちょっと街へ出て、いろいろな店舗を見聞してみてください。きっと目に入ってくること間違い無しです。

仕様は、50×50のスチール角パイプを下地にメラ焼き塗装で仕上げています。それに照明器具を取り付ける配線ダクトをプラスします。

このように、天井へ取り付けます。

いたってシンプルな作りなので、天井吊りボーダー=このパターンと理解してもらっても良いかと感じます。

これをアレンジする方法も多々ありますが、やはりベースはスチールに限ります。

造作フィッティングルームの詳細図

フィッティングルーム(以後FR)の作図事例ですが、扉にミラーを設置していることはお客様にとって嬉しいことですね。

FR内では自分の姿が近すぎて、見栄えが悪く感じることがあります。
出来ればFRから出てミラー面から1.5mほど離れて見ると、着映えがするのです。

このFR、とくに指摘することはありません!

最低限の備品も完備しているようですし、FR内での照明も親切だと感じます。

ただ、ちょっと気になるのは・・・・。

FRの扉の開き方向です。

外向きでの開閉は、通路面での他のお客様との接触が気になりますし、間違えば大けがのもととなります。

接客するスタッフがいれば安心ですが、それ以外の時は要注意です。

FR内が狭ければ仕方の無いことですが、スペースは十分すぎるほど有るので、内開きにして欲しかったというのが私の意見です。

ここで、建具造作とミラー貼りの詳細図を添付しておきます。

ごく一般的な、建具図であってよく描けています。
ただ、ドアチェックを入れていれば最高でしたね。そうは思いません?

ミラー貼りのほうも、シンプルな収めで良いでしょう。

では、次回から店舗になくてはならない、単品什器のご紹介です。
お楽しみに!

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