本日から、ちょっと指向を変えた「店舗」についてお話ししていきたいと考えます。
我々、図面屋のボランティアチームもかなり増殖して、同じような記事になってしまっているところがちょっと残念です。
そこで私としては、今後の新たな試みと、まだチームメンバーが投稿していない店舗事例を投稿しようと考えました。
そんな第一弾として、モダンな生活雑貨を扱う「ライフスタイルショップ」の店舗を投稿していきます。
全ての内容は、一度には表現しづらいので、環境図事例・造作図事例・什器図、3回に分けてご紹介していきます。じっくり、ご覧になり参考になさてください。
数々のMD展開で構成された平面プラン
店舗のデザインは、業態によってかなりの差異があります。
このショップは、アパレルの設計が多い私にとって、滅多に携わらない物件でした。
もう、10年前のことであまりよく覚えていませんが、売場もちょっと変形していて基本プランの決定には、かなりの時間がかかったようにも感じます。
その後の実施設計を描いていくのが、私の主な仕事です。基本設計というのは結構いい加減で、収まりを考えずに走る方もいますので、私の仕事は重要です。
今回の基本設計は私の友人が手掛けたものなので、信用は出来ますが、いざ実施設計+施工図面となりますとかなりヘビーな物件でもありました。
というのも、とにかく生活雑貨というのは、商材(MD)の種類が多くあって、小物などは覚えるのがとても難しくて、クライアント側のスタッフからいろいろ教えていただいたことを覚えています。
この平面図事例を見ても分かるでしょ!
所狭しと什器が並んでいる状態ですので、図面の種分けに時間がかかりました。
しかし、図面種分けさえ済めば「よーいどん」です。約10日間で仕上げました。
実は、描いた図面枚数は、なんとA3×約30枚になりました。かなりの量だったのですが、複数の人数で作業したのでこの日数でできたと感じます。
この後、何らかの修正が入りましたが、これも朝飯前でのレベルでした。やはり、仕事をするならプロとするべきですね!(私のスタッフ)
設計フィーは、合計で30万程度でしたが、私的にはまあまあでした。
商品の配置が一目瞭然の展開図
次に、ライフスタイルショップの展開図をごらんいただきますが、その前に、キープランでどの面の展開図を描いているか確認してください。(展開指示はアルファベットで表現してます)
毎回、言っていますがキープランは必須作図です。展開図を描くときには、これを同用紙の空いているスペースに添付すれば、より親切な図面になります。
平面図の展開方向と、それぞれの展開図と照らし合わせると、理解しやすいと思います。
A展開図は、共通通路からショップフロントを、B展開図は店内中央にある柱巻を、C展開図は店内入って左を描いています。
本来、展開図にMD(商材)である商品を配置するのはどうかとは思いますが、この場合生活雑貨という商品が多種多様なので、こういった表現で仕上げたのでしょう。
店舗が出来上がるであろう内容や、どの位置にどの商品が配置されることが一目瞭然であって、とても親切な展開図だと感じます。
おそらく、クライアントも納得でしょうし、私も納得です!
ただ、実施図面や施工図面となると私的には、着色はしません。なぜかというと、データが重くなって作業がスムースに進まないからです。
特に、什器などは一切着色しませんし、各スタッフへの指示もそのようにします。
では、次の展開図もご覧いただきましょう。
D展開図は右壁面、E展開図とF展開図は、売場内通路から柱巻の側面を見た展開図になっています。
通路がしっかり確保されているので、お客様がゆっくり商品を選ぶことが出来そうです。また、什器の木目にも、温かさが感じられ好感度は上がるでしょう。
ちなみに、この各展開図では、おおよその雰囲気を理解していただくだけで十分だと思います。
次は3枚目、最後の展開図です。
G展開図は店内奥壁面、レジエリアの展開図です。
H展開図とI展開図は、店内に2ヵ所ある柱巻の裏側をそれぞれ描いています。
レジバックのゲートは、インパクトがありますね。広いレジカウンターも印象的です。これについては、次回ご紹介しますのでお楽しみに!
後記&雑感
複雑な店舗ですので、時間をかけて見ていってください。私がこのクラスの店舗設計(実施設計&施工図)を行う際は、店舗環境図とコーナー詳細図とに分けます、
そうすれば、複数人数で同時に進めることが出来るからです。
基本設計の時間は、多くもらえるそうですがその後の作図には時間が限られてます。
変なというかせわしい仕事を選んだ私ですが、基本設計をするより気楽なところが好きなんです。
納期期間はありませんが、人との打ち合わせも無いしマイペースで出来るからです。
以前は、デザインコンセプト→プレゼン→基本設計等などの仕事を主な業務としていましたが、この行程はかなり時間浪費があります。おまけに関わる人が多くて、「船頭多くして船山に上る」状態になります。
私はこれが余り好きで無かったので、実施設計一本に転向したのです。今は心穏やかに毎日の仕事を熟してます。
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