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明確なVMD構成が素晴らしい婦人服店の図面事例〈Part-3〉

エレガント系婦人服売場。
最後にご紹介する図面事例は、売場に必要不可欠な中央什器たちです。

中には、デザイン的に特に特徴のないものもあります。
だからこそ、全体の調和が取れているのです。
ぜひ、参考になさってください。

なお、環境を中心にご紹介したPart1
明確なVMD構成が素晴らしい婦人服店の図面事例〈Part-1〉
柱や壁面、各詳細図の事例Part2
明確なVMD構成が素晴らしい婦人服店の図面事例〈Part-2〉
上記 2つの記事も、合わせてごらんください。

お客様を引きつける効果が期待できるトルソーケース

奥壁面にレイアウトされた個性的なビジュアル什器になります。
トルソーをディスプレイするケースです。

逆に、個性的なデザインすぎて参考にはならないかもしれません。
ただ、壁面奥にこのようなビジュアル什器を配置することは、お客様へのアプローチと考えてください。

これほど個性的なVPを、壁面に配置するパターンはあまり見かけません。
しかし、店頭と違ってお客様はなかなか店内の奥まで進まれる方は少なく、こういったインパクトのあるアプローチは必要です。

現状では、こういう配置になってますが、「引きつけて見せる+販売」と言ったルールに沿った考え方でのアプローチは効果が増大するでしょう。

両サイドの什器も、演出照明を使って目を引くところに今回のインパクトのある什器の配置!
この見せ方には納得せざるを得ない!って感じがします。

では、部分詳細図の拡大図面をごらんください。

作図は、しっかりしたもので収めもよく考えられています。

また、この什器は壁面以外でも十分活躍出来るので、店頭に置いてお客様の目を引くのにも良いと考えます。 その形状と仕上げは、さすが大人の女性をターゲットにしているメーカーの什器です。

私的には、ショップの雰囲気やMDにマッチしているのがよく理解できます。

VMDを意識したオリジナリティのあるコーディネート什器

ショップの中央に配置され、アパレル商品と共にアクセサリーなどもコーディネイト演出できる什器です。

ショップの、やや奥に2台配置されています。
1650mmもの什器ワイドは、ゆったりした空間で良いディスプレースペースとなります。VMDを意識してますね!

シンプルで使いやすさを追求しただけあって、フォルム自体には、それほど目新しさは感じません。しかし、随所のデザインには納得できるものを感じます。

腰部分もそのひとつ。
底目地は、ピンクブロンズのSUS プレートで仕上げられています。

おしゃれ感が感じられますね。
木素材とのカラーバランスも、バッチリです。

また、ガラス棚もW=900mmあるので、革小物やアクセサリーだけに限らず、トップスも余裕を持ってディスプレーできますね! 

ストック機能を持つコーディネートオープン棚

店頭やや左に配置されているこちらの什器は、前述の什器と同仕様とし、フォルムでの変化を見ることができます。通常はオープン棚と呼んでいます。

こちらも、VMDを意識してガラストップでのコーディネートはもちろん、中棚以下にはトップスの展示やその商品のストックなどを上手く機能させた什器です。

このような什器は、大人の女性をターゲットにしたショップで多く見られます。多くの商品をボリュームで見せることはせず、一品一品大切に販売しようとするこのショップならではの売り方だと考えます。

最後に、この什器の断面詳細図を添付しておきます。

断面図を見ていても、バランス通いのと引き出しを利用したストックも店員さんには親切な什器です。

什器のディティールですが、これを見る限りシンプルとはいえデザインはかなり意識したものと思われます。

機能性豊かなオペレーションカウンター

この什器は、店舗で不可欠なオペレーションカウンターです。
店舗右奥、ストック什器の前に配置されています。

レジ・サービス・接客など、カウンターにもいろいろあります。
それぞれのカウンターの役割は、すでにお分かりだと認識していますが、このオペレーションカンターは、あくまでも店側での機能を優先したものです。

店側の機能を具体的に言うならば、顧客管理、商品管理、本部とのコミュニケーションなどです。その機能がこのカウンターには備わっています。

尚、レジ精算は百貨店などのように集中レジというものがあって、購入後、お客様から代金を頂きそこで初めて精算となります。

それでは、それぞれの断面詳細図をお目にかけます。

左から、トップは引き出し、下部にはゴミ箱を収納します。

次も同様で、トップは引き出しで顧客管理などのファイルを収納します。そして下部は、商品の包装紙や紙バッグなどを収納します。

まあ、このあたりは普通のレジ台と同様の機能ですが、以下の断面図がちょっとした違いがあります。

従来のレジ・サービスカウンターの違いと言えば、トップにPCを設置、続いてFAX。そして、プリンターとなってますね。

この機能こそが店側の機能であり、この機能が無ければショップの運営及び、商品管理が行き届かなくなってショップとして成り立たなくなります。

ただ、今ならもう少し機能が増しているかもしれません。

シンプルで品があるシングルハンガー

このシングルハンガーは、デザインもそれなりに施されつつ、とても上品でシンプルなSHGRだと感じています。

そして、他のショップでよく使用されているものと比べると、ひと味ちがうものがあります。
その違いとは・・・。

SHGRの脚下を拡大した図面をご覧下さい。

ちょっとお洒落さが漂うのを感じますか? そうベースの部分です。
また、安定性も良く考えられています。

経験上のことですが、SHGRのデザインって変化を付けるのが難しいのです。
ですので、いつも面白くも無いデザインになってしまうことが多いんですね。

そこで!!

私は、ここで考えました。
それは、この部分を素材の変化で、かなりのバリエーションが考えられると!

この件とはちょっと違いますが、今までにSHGRを多く描いてきましたが、そのバリエーション方法を絶えず考えておくのも必要です。

私の場合は、ひとつのデザインから5〜10パターンのデザインを作ったものです。

最後に今回のシングルハンガーのサイズ違いを添付しておきます。

 W=900mmバージョン

W600バージョン

最後に

この店舗事例の図面は、かなり古いものです。

しかし、今現状の百貨店での婦人服売場やフォーマルの売場には、この雰囲気の事例はかなりあると感じます

図面自体は古いですが、デザインや機能など十分参考になる事例ではないでしょうか。
この店舗の方向性は、きっと設計者の皆様に役立つものだと考えます。

これをもって、エレガント系婦人服売場の図面事例を終わりです。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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