サイトアイコン 店舗設計 A to Z 〜内装設計の手引き〜

ショッピングセンターのベーカリーショップ〈什器図編〉

引き続き、ベーカリーショップ〈什器編〉をご紹介です。
〈環境編〉は、こちらをごらんください。


環境図と、今回の什器図を並行して見るようにしてください。
そうすれば、よりこのショップについての理解が深まります。しっかり読み取ってください。

お客様の視線を意識した壁面什器

まず、壁面の基本什器です。

壁面の什器については、アパレルも食品も同じことが言えます。必ず、お客様の視線を意識するように心がけてください。

まあ、ありきたりの話で申し訳ありませんが、床から約1200mmまでがゴールデンゾーンです。そのエリアには、売れ筋を持ってこなくては成りません。

ですから、今回の壁面什器もそれを意識しています・・・・・。

ここで、位置関係を平面図にて確認しましょう。

たまたま壁面上部が、パン工房「見える化」で、ウインドが設置されていることもあって、床から1150mmで設定されています。まさに、ゴールデンゾーン内にといえます。

ベーカリーの什器の機能は、主に棚三段が主流なのでこれで十分でしょう。
仮に壁面の仕上げが、天井まであるとしても、棚板を増やすのは好ましくありません。

1200mm以上は、商品を置かずに何かディスプレイ要素のあるモノを設置することをお勧めします。

ボリュームをつけても、売れない商品も多々あることを覚えておいてください。ましてや、食品となるとかなり厳しいと感じます。

尚、奥行きはそれぞれのベーカリーショップの商品構成にも左右されますが、今回の什器のサイズを基礎と考えても良いでしょう。

この断面図が、ベーカリー什器の基本型と考え、アレンジすることも面白いかもしれませんね。

あくまでも、商品が主人公なので、什器はそれの合わすという考え方が順当だと私は考えます。

八角形で焼きたてパンを演出するディスプレイ什器

今回は、ちょっと面白い什器のご案内です。

この什器事例は、店頭ディスプレイも兼ねた、ベーカリー什器なのですが八角形での仕様なのです。
店頭に柱形があっったので、円形ではニュアンスが合わなくてこんな形になってしまったのです。

話はそれますが、当時「VMD」なんて流行りのキーワードが飛び交っていました。

まあ、アパレルでは一般的な考え方でしたが、食品にも同様に「VMD」という考え方は当てはまるのでは・・・・。

そのとき思いついたのが、この八角形ディスプレイ什器でした。
たまたま、柱という難儀な代物が存在したことから、このような変形什器が生まれたわけですが、普通はは長手のテーブルでも良いかと考えます。

ただ、八角形という特殊なフォルムはにラウンドで性がよく、ショップのシンボルとしても一役を担いつつ、集客効果も図れたと感じます。

きっと来店客様には人が集まる様子を見て、ショップに対して好印象を持ったのでは!って思います。

以後、この八角形什器は大当たり!

同業他社の店舗でも、似たような什器がちらほら・・・、でしたが、まあ人に真似られることは良いことと感じます。

それからも、私は同業他社の店舗も手掛けましたが、この什器自体は模倣をせず、新たな什器も開発に取り組みました。

尚、テーブルのこぼれ止めの詳細図も添付しておきます。

これは、「こぼれ止め」の詳細図です。
食品の店舗にはよく見られるものですので、頭に入れておいて損はないですよ。

「すのこ」をアレンジした焼きたて食パン用什器

ベーカリーショップの定番商品は、やはる「食パン」ですが、それを販売する専用の食パン什器図です。
焼きたてを、お客様に提供する目的から考えられました。

このベーカリーショップは、特に食パンを重きを置いていたようです。

その他のパン什器に関して提案したところ、どうこう意見はありませんでしたが、この什器にはクライアントの思い入れを感じました。

考えたのは、もちろん私ですが担当者の方に、いろいろレクチャーを受けて完成した什器です。

今改めて、見てみるとそれほど大したことは無いな!って感じもしないわけではありませんが、当時はとても感謝されました。

棚トップには、焼きたての熱を冷ます「すのこ」の形状のものを使用しました。 
蒸気でパンに水滴がつかないためにも、この「すのこ」が、上手い具合に役立ったようです。

什器自体はシンプルな作りですが、「食パン」という商品をお客様の視線に入れることのみを考えました。

素材は木下地の化粧板仕上げといったローコストな仕上げです。断面図でその構造を確認してください!

あまり単純なつくりなので、「なんじゃ?これは??」って、思わないでくださいね!
とは言えこの什器には、ちょっとした秘密もあったのも、功を奏したのです。

ベーカリーショップ必須什器トング台

ベーカリーショップでは、お馴染みのトング台の図面事例です。

図面としては、2分割してそれぞれを単品として考えて描いてみました。 

実際のトングを掛けるのは、衛生面も考慮してスチール製での仕様です。
スチールはやはりステンレス製が良いと考え、テーブルトップにはトレーを置きます。

トング掛けについては、ここでは2段掛けで構成していますが、別に1段掛けでも良いと思います。 

ここで、平面図を確認しておいてください。

前述したように、ここではソング掛けは別物としてますので、破線で表現しています。

また、2段目の棚がやや高いような気もしますが、如何でしょう?

次に、トング掛け単品図面ですが、こちらも問題は無いと考えます。

ただ注意が必要なのは、このトング掛けは基本的には置き式になっています。自重でいけるなら良いのですが、不安定さを感じたら、什器トップにビス止めで固定しても良いでしょう。

機能面が充実したレジカウンターと作業台

ベーカリーショップの、レジカウンター什器図面をご覧いただいております。

この規模のベーカリーショップでレジを2台置くことについて、本当に必要か否かを悩みました。1台でも十分なのでは!ってね。

というのも、2台置くとどうしてもレジカウンターが大きくなるのですね。

いろいろ議論を重ねた結果、繁忙時のことを考え2台で決定しましたが、什器はL型にならざるを得ませんでした。

大きいだけというのは、それなりに良いのですが、結構な機能が必要とされる分設計は大変です。

内部には、引き出しがあったり、可動棚、多くの仕切り板、それにベーカリーショップ特有のパンの包装紙のストック等など・・・。

以下は、その断面詳細図となります。
断面指示も載せていますので、ご確認ください。

図面的には、それ程たいしたことはありませんが、寸法調整が大変でした。

この断面での機能に関しては、私では理解に苦しむので店長との協議で決定しました。

図面を見ていただければ、これだけ多くのの機能がはいっていると感じるでしょう。

おまけに、お客様側には持ち物を置ける棚も必要なのですね。

まあ、これについては店側の気遣いがあってとても親切な機能だと思います。

ここでヒント!

これは、よくやる手ですが、L型になっているカウンターはコーナーが死にますね!
しかし、ちょっと工夫すれば、収納ボックスが作れますので、一度お考えになってみては・・・。

 尚、以下にレジバックカウンターも添付しておきますので参考にしてください。

ベーカリーショップの全図面事例は、この図面を持って最終とします。長々とお付き合いありがとうございました。

デザインランキングに参加してます。
応援お願い致します!

↓ ↓ ↓

デザインランキング
モバイルバージョンを終了