本日からベーカリーショップを何回かに分けてご紹介します。
最近はどのショッピングセンターにも入っているベーカリーショップです。
当時は、ベーカリーショップなんてものがそれ程ありませんでしたので、今回の店舗事例はその走りといえます。
では、環境編のスタートです。
パン工房スペースを敢えて大きくとった平面プラン
このベーカリーショップは、もう10年前以上も前に設計したものです。しかし、その機能は今とあまり変わっていません。
ショッピングセンター内にベーカリーショップの乱立が始まって、すでに10年は経とうとしてますね。
最近でも、まだまだ出店の凄いは止まることがないでしょう。
ベーカリーショップの店舗機能としては、売場があって、後は焼きたてのパンを提供できる厨房にあるでしょう。
この平面図でも確認できますが、店舗面積の大部分が厨房となっています。
なんだか売場が狭いような気もしますが、これもベーカリーショップの特徴でしょう。
既存のベーカリーショップも、恐らくこの形態を取っているところが多いと思われます。
最初にこのショップを手掛けた時は、右も左も分からずじまいでした。
そのときに、当時の担当者の方がいろいろ指導いただいて、それぞれの機能を教えていただきました。それは、私にとって大きな財産になりました。
その後、約30件ほどのベーカリーショップを設計したものです。おかげで多くの資料を入手でき、今では悩むことなく実施設計まで出来るようになりました。
そこで感じたことは、ベーカリーショップといえども、必ずしも同じ機能では無く、それぞれの店舗特徴や機能は、若干の差異があることも気づきました。
尚、ここで仕上表を載せておきます。
厨房機器業者さんが描く厨房レイアウト
厨房のレイアウト図です。
私たちには、もちろんこういった図面はかけません。ですので、厨房機器業者さんに要所を指示してお願いしました。
私がこの作業で協力できることは、「内墨図」を作成して厨房屋さんに渡すだけです。
餅屋は餅屋って言うでしょ!
出来ないことを、お願いするこのも設計者のお仕事です。ただ、最終図面にはチェックを怠らず、確認だけはしっかりやることです。
厨房リストも添付しておきます。
特に必要とは思われませんが、初心者のかたには目新しいものなので、一読しても損はありません。
店舗設計やデザイナーに成ろうとする人は、私が見る限りとても「まめ」です。
どんなことも、自分のために成ると感じたら、すぐにメモ帳を取り出してなにやら一生懸命に何かを描き始めます。
一度覗いてみたら、とんでもなくまずいスケッチを描いているのです。
しかし、そいつも今は一流のデザイナーです!
やっぱり努力って報われますね。ですから、みなさんも日々努力が肝心だと思います。
天井伏図と垂れ壁詳細図
ベーカリーショップの、天井図とボーダー図です。ブルーで描かれているのは、この商業施設の基本照明です。
この基本照明に関しては、工事区便として建築工事に当たります。
その他、内装工事では、垂れ壁部のダウンライトと柱廻りのペンダントを配置しました。
本来は、天井伏せ図は単独で描くのですが、この図面はクライアントとの打ち合わせように作成しました。
尚、図面右上部にダウンライトの取り付け位置の詳細図を添付しておきます。しかし、これはさすがに見にくいと感じて、拡大図を添付しておきます。
これで、理解できますね!垂れ壁のデプスが違うので、調整に時間がかかりました。
その他、大した図面ではありませんが、これも必要最低限の図面となります。本来の天井伏せ図は以下の通りです。
あまり代わり映えはありませんね。申し訳なし!
天井伏図は、ほとんどが設備業者さんや照明器具メーカーの依頼するのが順当な進め方ですが、急遽提出の場合は、照明器具の入り程度は私が描きます。
邪魔くさいので、描くのが億劫になりますが、これも描かないと理解できないことが多々出てきます。
ですから、初心者のかたは出来るだけで良いですから、自分で描くことをおすすめします。
ガラス張りでパン工房内を見せる演出の展開図
では、ベーカリーショップの展開図面事例を進めていきます。
この図面を見る限り、スーパーの食品を思い出します。なぜなら、壁面のウインドがやたら目立つことです。
これは、売場から「パン工房」の内部を見せるためで、作り手がわかり、食の安心安全を伝えようとしているのです。
確かに説得力のある手法とともに、当時は、見る人にかなりインパクトを与えたことでしょうね!
さて、展開図を説明するに当たってキープランを確認しておいてください。
売り場内と酒房内の展開キープラン壁面のガラス引き戸の前に、販売台が所狭しと並んでいます。ここで様々なパンが、「パン工房」から提供されて販売されるのです。
イメージは以下の雰囲気ですが・・・・。
毎日のようにパンを購入されている方は、このリレーションはすでにお分かりと思います。
連立した壁面什器のサイドには、トング台が配置されています。これも、お定まりのケースですね。
尚、図面右下に壁面のパン販売什器の断面を添付しています。
什器の機能はこのようなフォルムで、だいたいのベーカリーショップは同仕様だと思われます。
基本的には、この機能だけをしっかり理解すれば良いわけであって、ちょっと違いを感じるのは、食パンの什器ぐらいです。
後の調整はクライアントのリクエストで変更されることがありますが、販売什器は変えようがないので大きな変更は考えられません。
パンの大きさは様々なので、壁面に関しての棚什器はこのかたちで充分でしょう。
断面図がちょっと小さいので、拡大図入れときますね!
この壁面ガラス張りについては、「パン工房」での焼き作業や加工室を魅せることで販売促進の狙いがありました。
上手いやり方ですね!
最近は、こういった「見せる化」で消費者に対して強い説得力を誇示した店舗が増えていますし、今後もこの手法は成功の鍵といえます。
大きな釜を設置したパン工房と厨房内の展開図
ベーカリーショップの「パン工房」内の展開図です。展開方向も、確認しておいてくださいね。ベーカリーショップの「パン工房」内の展開図です。
展開方向も、確認しておいてくださいね。
厨房も含まれていますが、売り場から「パン工房」を見せることで、焼きたてのパンを提供していることをお客様に伝える役割を担っています。
ただ、この「見える化」戦略は、本来見えては良くない場所も見えてしまうデメリットもあります。ですので、内部壁面の仕上げも全面100角タイル貼りです。
ちょっと金かけ過ぎ>?なんて、感じもしますね!
最近だったら簡易内装で、腰までSUSの平板を貼って、そのトップは塗装仕上げで済ますんですがね。
このベーカリーショップでは、パンの焼き釜を魅せるのがセールスポイントとなっています。釜の位置は展開図の左上のフードの下に設置されました。
見た目にも素晴らしい釜でしたが、写真がないのが残念です。
こんなイメージ>?
パンの焼き釜は、専門業者が用意するということで、ここでは作図から外しました。
この「見える化」は、功を奏したらしく当初はとても効果があったそうです。
このショップは、今ではほとんどのイオンのショッピングセンター内に入店しています。
尚、展開図がも一面ありましたので、添付しますがたいした図面ではありません。
厨房内から、店側を望んでいる展開図事例です。参考までに入れておきましが、役にたつものなのか。。。(笑)
と言うことで、以上がベーカリーショップ図面事例の環境図編でした。
次回は、什器編をご紹介します。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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