今回は、新しい業態の図面事例をご紹介します。
住まいなどの空間をコーディネートする、インテリアメーカーのショールームです。
店舗と違って商品を販売する事を目的としていませんが、「如何にディスプレイするか」という点では共通している点が多くあります。
ぜひ、参考にしてください。
それぞれのシーン演出とゆったりした空間
ショールームでは、まず、回遊性が特に重要視されます。
それぞれの展示物に興味を持っていただくために、いろいろな見せ方したり、実際にインテリアを設置してリビングなどのシーン演出したりしています。
それでは順に平面図を見てきましょう。
まずエントランス(平面図中央下)を入って直ぐに、ステージが並んでいますが、そのうちの2台が、演出照明を施しています。
また、高さを変えることで、動きのあるディスプレイが可能です。このスペースは、ショールームに入ってまず目に付く場所なので、最も訴求力のある場所といえます。
ですから、新商品などをディスプレイしてアピールすることが肝心です。
ステージバックにある場所では、実際に家具を配置して具体的な演出を展開します。
例えば、リビングや寝室などです。そして、それの伴い接客用のテーブルセットを配置する事もあります。
壁面には、カーテンを展示する什器が並んでいます。
素材や色、柄で分けて展示して見やすくしています。
そのため上部に間接照明を取り付けて、柄や色がはっきり見えるようにしました。店内の照明を、もう少し明るくすればよりはっきりと見えるんですが………..。
最後に平面図の右側にあるワークスペースでは、パソコンを使って、お客様の好みにあったインテリアをコーディネートしたシュミレーションが、体験出来る場となっています。
最近ではカフェを併設したショールームもあり、多様化しつつあります。やはり商品を展示するだけでは、集客が難しく、様々な付加価値で注目を浴びるようにしていますね。
尚、平面図奥の右には、打ち合わせスペースを設けるようにしました。
商品を見やすくするための展開図
平面図に続いて、展開図をご紹介します。その前に展開指示図をご覧ください。
この展開指示図は、必ず描いておくようにしてください。と言うのも、いきなり展開図を見せられても理解に苦しみます。
ですから、必要不可欠な図面となります。
A展開図〜H展開図をご覧頂いてますが、展開指示図と照らし合わせてください。
ただ、壁面のほとんどがメーカーの持ち込み什器となってますので、変化の無い展開図となっています。
ですから、基本的にスッキリとした空間を目指しました。展示商品を際立たせるためです。また、清潔感の出すため全体のカラーリングを白で統一しました。
それに反し、床には濃い色目のタイルカーペットを敷いて、より白い空間が映えるようにコントラストを高くしています。
ショールームでは展示品が一番の主役となるので、あまり装飾性はありませんね。
シンプルな空間が最も好まれる訳ですが、これがデザインする側からすると、とても難しい時もあるんですよ。どこにデザインを施し、このショールームの個性を演出する点が最も難しくなりますね。
あまりシンプル過ぎると個性がなくなり、他のショールームとの差別化ができなくなります。
逆に凝ったデザインをすると、展示商品が際立たせる事が出来なくなるんです。そんな時は、一点豪華主義的にデザインをアクセントとして目立つ所に施すという考え方もありますよ。
では、もう一枚の展開図です。
こちらの展開図も、そのほとんどが持ち込み什器となっています。殆ど意匠がないので、あまり参考にはならないかもしれません。ご容赦を!
今回は、この辺で終了としますが、ショールームの仕事は商品が個性となるので、あまり凝ったデザインは、ちょっと厳しいです。
共用部などにちょっとしたポイントディスプレーやビジュアルを設置させてもいいかもしれません。
↓ ↓ ↓
デザインランキング