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アパレルのショップマニュアルを考える_その1

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今回から数回に分けて、アパレルのショップマニュアルをご覧頂きます。

私が、携わった仕事のひとつですが、その中でもまともに仕上がったマニュアルでもあります。

かなり過去の資料なので、現存での施設があるかどうかはか分かりませんが、店舗づくりを目指す人にとってはとても参考になると考えます。

また、15年以上前の資料ですので表現の方法などが、若干今とはズレを感じるかもしれません。しかし、今でも十分に通用する資料で有り、ショップのVMDを考えるときに役立つ資料だと感じます。

この40年近く店舗設計の仕事をしてますが、店舗の機能なんて、10年、いや20年たった今でも、その機能は大きく変わったところはありませんね。(経験上)

変わったと気づかされるところは、新素材や仕掛けのような機能が付加した程度でしょう。まあ、時代に合わせた雰囲気やイメージが変化しただけだと解釈してます。

今回のショップマニュアルは、当時は一世風靡したマイカル(旧ニチイ)の別業態に「VIVRE」という新業態があり、その売場を見直す計画を推進するための指針書みたいなものです。

タイトルは、「VIVRE」となってますが、「SATY」も含まれている箇所があります。ですから、このふたつのブランドが一斉に売場の見直しを図ったと言うこととなります。

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タイトルは「VIVRE NEW SHOP PLAN」と、アバウトな表現ですが、各業態に分かれています。メンズ、レディース等です。

元々、紙データだったんですが、PDFに変換したものをお見せしますが、見苦しいページもありますので、ご容赦願います!

またこの企画書には、完成されていないページがありますが、売場づくりについての内容と意図は感じていただけると思います。

コンセプトとキーワード

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「見せる売場から、魅せる売場に!」と大変シンプルな考え方ですね。2020年現在のショップコンセプトとしても使えます。昔も今もと変わっていません。

売場の設定条件

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売場スケールの設定からはじめました。これについては、四方通路で、柱含む状態で、約30坪単位で「VIVRE」「SATY」で展開するという計画です。

その他、商品MD、展開条件などを現状の売場との比較で、理想的な売場を創ることことが目的です。

メンズ、レディース含め、全国のマイカル施設に100ショップを目指す計画です。

これは余談ですが、「VIVRE」を除き、当時スーパー業界でのアパレル売場については、「SATY」が群を抜いていたと感じます。今は、イオンの売り場にも何店か残っています。

さて話を戻しましょう。

当時、この計画がもとで、私も毎週とは言いませんが、大阪のマイカル本部へ通ったのを思いだします。おかげでいろいろ勉強しました。本当に疲れる日々を送ってました。

現状売場分析とその改善点

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上記は、当時サティでよく使われた売場活性のためのシートです。これを持って各店の店長と売場を廻り、店頭のディスプレイは成されているかとか、それぞれの売場のVMDは明確化などをチェックしたものです。

ちなみに上段には、現状写真を撮り、下段では改善案をスケッチなどで処理して、本部の商品部長に提出していました。

結構、手間のかかる仕事であり、出張が多くて大変で疲れましたが、売場をどうこう言えるようになったのもこの経験が役に立ちました。

このシートは、完成していませんが、本来はビジュアル(写真)で表現する予定でした。

什器モジュールの考え方

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上記については、商品の分類を具体化したものです。左から、商品アイテム、ボリューム、ポジションと売場30坪内での商品の位置関係を示しています。(紙面参照)

次に現状の売場を表現しています。什器が一方向で、それもロングスパンでの構成が見て取れますが、これではマズいので改善しようという思いです。

右端は、ズバリ改善策です。商品によってVMDを明確にすると共に着想感を感じてもらうカセット什器の考え方が示されてます。

現代の売場に近づいてますね。「魅せて売る」表現にぴったしの売場がこのカセット什器で構成され、表現されるのです。

ショップコンセプトチャート

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上の開発コンセプトは、良く出来ていて、あくまでもお客様視線を意識した考え方であって、理想的な売場づくりが見て取れます。

商品が常に変化(新鮮)・ショップに入りやすい・商品を選びやすい・気軽に試着しやすい

ショップにおいての不可欠な要素です。この紙面には大切なことが多く書かれています。当時のスタッフがかなり考えたことでしょう。

カタチ表現は違えど、これをひとつのルールとして、ショップ運営すれば、必ずとは言いませんが、きっと売り上げにつんガルでしょう。

但し、あくまでもMDが重要ですので、そのことは忘れないようにしていきたいですね。

プランの分類

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上記の説明は、これまで前述してきたことの集大成であって、次のステップとして、具体案を進めるわけです。PLAN A、PLAN B、PLAN Cを現実の売場でシミュレーションしていくのです。

これからが、私の出番となりました。店舗設計にどうはめ込んでいくかが課題です。

後記

長々と書いてきましたが、この企画書って本当に大切で、これが無ければ、ショップづくりは前には進みません。

方向性が明確で無ければ、内装費をかけたものの、売場は活性化されず、中途半端な状態なり、ほとんんど経済効果は生まれないでしょう。

私はいま、新生コロナウィルスで、会社にも行けず自粛状態です。ですから、多くの時間があるので次回も資料を揃えて、みなさんにお伝えしていきます。

次回を楽しみにしておいてください。恵純でした。

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