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ニューヨークスタイルのレディースショップ_Part1〈環境図〉

客導線を意識した動きのある平面計画

平面図

新しくレディースセレクトショップの店舗事例を、2回に分けてご紹介していきます。

まずは、客導線を意識した動きのある平面計画をご覧下さい。 百貨店でのインショップ形式ですからレイアウトに自由さがあり店内の通路にゆとりを感じます。

また、平面右下にあるの集約したフィッティングルームの壁面に傾きを設けて、動きを感じさせるレイアウトも興味をそそられます。

このアンバランスなレイアウトによって、売場に無駄な空きスペースや、機能的にも使えないスペースが出来てしまます。その代わり、顧客目線を意識しつつ、視覚的にもおもしろい売場となっているようです。

この微妙なアンバランス加減を採るのは非常に難しく、一歩間違えば、売り上げにも影響を起こしかねない手法とも言えます。

さて、このセレクトショップの際立つのがフィッティングルーム(以後FR)の設置数です。 どうしてこれだけの数が必要なのでしょう。

このセレクトショップの店舗面積は、約50坪ほどあります。百貨店のインショップでは、そこそこ大きい売場です。通常だと20坪クラスの売場でFRは2箇所です。

上記をベースに考えれば、50坪クラスですと4箇所は最低必要なんで。 しかも扱う商品が高級になってくると、FRに前室を設けてソファなどを設置する事もあります。

坪数から考えた設置数は4箇所ですが、店側の要望だったりレイアウト上の問題だったりで、6箇所の設置となったのだと感じられます。

ですが、本当に6箇所が妥当かどうかといえば、実際は多すぎるようにも感じますが、お客様にとってはゆとりを感じつつゆっくりお買い物が出来る店舗となるでしょう。

クールでスタイリッシュなファサードの立面図

レディースセレクトショップの平面図に続いては、展開図のご紹介です。(上記図面参照)

まずは、ファサード面の立面図を見てみましょう。(1展開図) 前室付きのフィッティングルーム見て取れます。その左には、ショーウィンドを設け、曲げたハンガーパイプで商品をディスプレイします。

前後に2種類のハンガーパイプを使ってバリエーションのあるディスプレーを楽しめます。

また、このショーウィンドの仕上げはロートアイアンといった特殊な金物で仕上げています。ご存じない方もいると思うので少し説明しておきましょう。

ロートアイアンとは、棒状の鉄や鉄板を加熱し、曲げる、捻る、伸ばすなどして加工し、必要な小パーツを作成し、その後、各パーツを溶接・研磨して完成するインテリア部材の一種です。 引用元⇒ロートアイアン wikpedia

このロートアイアンの手作り感と錆っぽさの仕上げ方を造作や什器に数多く使っているので、店舗の基本素材として統一しています。

尚、上記のショーウインドの詳細図以下サイトあります!

次に柱を見てみるとやはり百貨店のショップだけあって柱には何も機能的なパーツは一切付けずシンプルな環境柱にしています。

天井からの吊りハンガーがありますが、壁面もスッキリとした見え方になっています。
全体的に落ち着いた色目ですが、素材がスチールで統一されていて、シャープなイメージも感じ取れるのではないでしょうか。

ニューヨークスタイルのテイストを感じさせる展開図

上記展開図は上段が、3展開図 、4展開図です。ちょうど店内からファサード面を見た面です。下段は、5展開図で店舗の奥壁面を表しています。

次に、6展開図、7展開図、8展開図をご覧頂きます。以下に
平面図拡大版で確認してください。

集合FR前の壁面には、什器らしきものは見えませんが、下の図面にはしっかり描かれています。それでは進めます。

下段の展開図は特に説明はしませんが、特記すべきは6展開図で取り付けた壁面のラダーを使っての陳列です。とても工夫されていて、かつ遊び感覚も感じられる演出です。

ただ、このラダーをどうやって取り付けるかはかなり考えました。この店の作図はさほど難しくは無かったのですが、この箇所だけは時間をかけてその収めを考えました。(後日作図します)

上段は、9展開図。下段には10展開図、11展開図を表しています。9展開図の右側に前述した壁面の側面が見えています。

丁度、集約FR前に可動棚を使ってボリュームある陳列をしていいるのが分かるはずです。この面も単純に壁面にスリットの陳列ではく、スチールの丸パイプにシステムを組み込んだ個性ある壁面什器です。

そしてラダーを使って、その高さとボリューム感を演出をしています。 これだけの什器スパンを用いれば、ジーンズのサイズやメーカー別にカテゴライズしても、目的の商品が探しやすくもなります。

しかし、什器エンドあたり(向かって右)はリースラインに近い所まで陳列で使っているのです。これじゃマズいので、ディスプレスペースとして考えた方が良かったのかもしれません。

それでは、最終の展開図面です。12展開図、13展開図。下段には14展開図です。

12展開図では、各FR前通路から見た展開図になってます。カーテンが確認できると思います。13展開図はその右面を描いてます。

14展開図は、このFR前壁面を表現してますが、前面ミラー貼りは、さすがにお客様もビックリしたことと感じます。

ミラー壁面には、段差を付け、その間にハンガーパイプを通しています。 これは試着する商品を掛けて置くためのものです

その左側には、サービスカウンターを設け、お客様の対応用としました。あらゆる所に工夫を施した店舗環境図面でしたが、いかがだったでしょうか? ご理解いただけたでしょうか?

後記

この店舗は、コスト面ではかなり高くつく仕様となりましたが、ミセス対象のちょっと高級といったベターゾーンの商品を展開していたようです。

店舗としての個性や遊び感覚あるデザインは参考になるのではないでしょうか。ただ、物件としては今は存在していませんし、かなり昔の内容だけに読者さんとしては、良いと感じたところのみ、ご自分のノウハウとしてください。

余田和でした。

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