先回の続きで今回は、《店舗図面集/紳士服_002》展開図とその関連図をご紹介しましょう。ほんと、シンプルな店舗なので、店舗設計初心者の方でも十分に理解できますね。
私は店舗を環境図、コーナー詳細図(平面詳細図)、それと什器図、備品図で分けて図面を整理しています。この方法は全ての人に通ずるかどうかは分かりませんが、40年近くこの方法で作図を進めています。
それでは、展開図を進める前に先回の復習として、《店舗図面集/紳士服_002》平面図とその関連図を再度見ていくようにしてください。しっかり理解した方は、このまま進んでください。
百貨店スタイルのメンズスーツ売場 2002年2月、某百貨店でのメンズスーツ売場の平面図となりますが、今回からいくつかに分けてこの店舗の竣工時の図面を全てご紹介します。 何故か、当時はこのようなメンズの店舗を …
VMD計画が成された展開図事例
まず、ザックリで良いですから、上の展開図事例に読み取ってください。 スーツ売り場としてそれほど大きくはありませんが、コンパクトにまとめられたぶん、その効率は良いと考えます。
それでは、A展開図(奥壁面)から!
基本の壁面什器が並ぶ中、左サイドにディスプレーパネルを設置して、壁面に変化を付けてます。そして、右サイドには、スーツ関連商品としてシャツ什器を設置しました。
これも、前述した手法です。とにかくスーツ売り場って変化を付けるのが難しいのです。同じ什器の羅列しては、飽きちゃいますから。
基本の壁面什器の方は、商品がフェイスアウトやショルダーアウトで展示され、見た目にもすっきりさせました。これにより、豊富な品揃えが表現され、見やすく、触りやすい売り場になると考えました。(B展開図)
B展開図には、通路側にはアイキャッチャー効果を狙って電飾(カラーコルトン)を設置しました。その他、D展開図の柱には、通路面のみサインを取り付け、VMD効果を出すために商品をしっかり展示して頂きました。
以下に、先回説明したポイントとなる箇所をマーキングしておきました。
機能を旨く使った柱巻き図の事例_その1
この図面は、店舗の正面から向かって左の柱です。通路面にカラーで表現されたサインパネルを設けてアイキャッチャーを促せようと考えたわけです。
こういう手法は、現在でも設計者がよく使う手であります。造作柱のシステムは、縦型タイプスリットを取付け、照明用のラインコンセントも確認できます。もうかなり古いパターンです。
ここは、あえてコストアップにはなりますが、ニートモジュールというシステムを使用しています。
※現在、ニートモジュールは「ベルラ」と新たなネーミングで販売されています。
機能を旨く使った柱巻き図の事例_その2
もうひとつの環境の柱図事例ですが、店舗の向かって右に位置です。前述同様に、こちらの柱でもカラーでショップのイメージを高めようとしました。
こちらの柱は、二面に商品を展示して、もう二面にはカラーコルトンと通路正面にはパネル+サインを取り付けました。この大きなカラーコルトンは流石にインパクトを感じましたね。
ファサード廻りに、商品+サインという構成はちょっと古い設計手法です。(今ではかなり古い!)現在では、このようなやり方していませんね。 もっとすっきりしています。やっぱり年代を感じます。(笑い)
今の手法は、柱を象徴的な素材を使用して、展示方法はマネキンorトルソー程度で押さえ、すっきりまとめることが多いようです。
尚、この柱にはビッグポイントとなるように「ベルラ」を使用しました。もちろん照明用のラインコンセントも付けましたが、不細工!
後記
今回の事例も、ちょっと(かなり)古いスタイルのブランドのショップです。 しかし、まだまだヒントになる要素はいっぱい詰まっているようです。
所詮、店舗なんてこれだけの機能で成り立っています。 基本さえしっかり理解すれば、店舗設計なんて誰にでも可能な技術です。 ちなみにこの店舗、オープンしたのが恐らく20年〜25年前だと記憶します。
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