最近のショップ傾向として、服飾雑貨を販売するお店が増えているような気がします。実際、私の仕事も種々様々な業態の設計が多く見受けられます。
以前と比べれば、特に化粧品、服飾雑貨の設計は確かに増えています。過去にも多くとは言わないまでも、レディースバッグ関連や、革小物の店舗はかなり手掛けてきました。
そんな中で、ちょっと面白いショップの資料が手に入ったので、ご紹介していきます。
30歳前後のキャリア志向のレディースバッグの店舗です。もちろん実施設計がほとんどなので、デザインのことについてはよく分かりませんが、設計の勉強をなさっている方にはきっと役に立つと感じます。
スッキリレイアウトで回遊性を図る平面プラン
エスカレターサイドの区画で、約10坪ほどのこぢんまりしたショップです。主なMDは置き陳列が基本であるバッグやそれに類する革小物群でしょう。ですから、什器タイプも3種類程度で考えられているようです。
気にかかるのは、中央にシングルハンガーラックを配置していることです。
残念な気がします。
ただ、店内のどの面を向いても商品を意識せざるを得ない店舗づくりには頭が下がります。
整然とした配列された照明計画の天井伏せ図
続いては、天井伏せ図です。ファサードの大きなディスプレー什器上部には吊りボーダーを設置して、ペンダント照明を取り付けています。
この吊りボーダーを設置する事で、高い天井とこのディスプレー什器間が間延びさせないこと、そして什器上の商品をより明るくして際立たせる事にも繋がります。
百貨店では、基本ベース照明が既に取り付けられているケースがあります。しかし、この店舗事例は、施設内テナントとして出店しているので、全ての照明器具が内装工事によって取り付けられています。
設計上では、干渉するものが設備だけなので比較的、実施設計もやり易いのですが、全てが内装工事に含まれるので、コストバランスを考慮して器具選定をしなければなりません。
豪華な天井ルーバーを配した展開図事例_その1
この吊りボーダーは、ゴールドのエイジング塗装でアンティーク風の仕上げで、ゴージャスで落ち着いたイメージを与えています。
しかし、4000mmもの大きさには、ちょっと抵抗を感じました。(私的意見)
ディスプレー什器も同様にモルタルのエイジング塗装仕上げで、ボーダーと共にショップの顔を構成しています。ショップイメージって奴です。
C展開図、D展開図は、ショップの奥壁面を表しています。どちらの展開図も、こちらもファサードと同様に上部を間延びさせないように山型ニッチ什器を配置しています。
この山型ニッチ什器の裏面には、エスカレーターが有り、施設の見通し計画に沿って什器裏面はシースルーにして視認性を高めています。
豪華な天井ルーバーを配した展開図事例_その2
上段のE展開図とF展開断面図です。F展開断面図には、シングルハンガーラックが配置されているのが見えます。こちらも、平面図を参照に進めてください。
やはり、壁面前の通路は広くとって頂いて、商品をじっくり見てもらわなければなりませんね。その結果、このエリアの滞在時間が長くなり、たまり場となるわけですから。
下段のG展開図は、店内からファサード側を表した展開図となります。作図右側のレジカウンター横の袖壁には、窓を取り付けて、見通し良くしています。
エスカレーターから見た展開図
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