今回から、新たなショップをご紹介しましょう。
ちょっと昔に流行った、ファミリー型のショップの図事例になります。SPAの波に乗ったメーカーさんの、フレンチカジュアルをテイストとしたショップです。
環境図からどうぞ!
大きな什器構成でフロントを演出した平面プラン
SPAに代表されるGAPやユニクロと同様、店舗のフロントには、サプライズウィンドや比較的大きめなエリアでの什器構成で演出しています。
ファミリーを意識すると、ディスプレイする品数が多いせいでしょうか・スペースも、必然的に大きな展開になってきます。
什器レイアウトは、完璧に整理され各品種の位置づけを明確にしました。
壁面においても、レディース・メンズ・キッズと、それぞれの商品が明確に分かるようなVMD構成を展開しています。
SPAについて
そもそもSPAとは、ファッション商品の企画から生産、販売までの流通を統合したビジネスモデルで、日本語では「製造小売業」と訳されています。
SAPの語源は、1986年にアメリカの衣料品大手GAPの会長が、自社の業態を示して言った「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字から取った造語です。引用元: 野村総合研究所
ショップカラーで視認性を高めた展開図
天井高さがGAP程はないので、高さを活かした見せ方はしていませんが、レディース、メンズ、キッズの3ゾーンをディスプレーパネルやミラーによって分かりやすくしていますね。
フレンチカジュアルをテーマにしているので、使用している素材は柔らかい色目の木目で、壁面の各スパンを区切る帆立はスチール製でシルバー色に焼き付けています。
どことなく、素材感が類似しすぎているような気がしますが・・・。
A展開図にあるディスプレーパネルは、際立たせる為に色目をショップカラーのグリーンにしてゾーン分けをより明確にしています。
そしてC展開図では、ファミリーでの連想させるシーン演出が出来る大きなウィンドが特徴的です。上記のディスプレーパネルと同様に、グリーンのカラーで視認性を高めています。
次に、フロントの柱面の展開図です。
防火シャッターが絡んだ、ちょっと特殊な柱です。どうしても、このシャッターのガイドレールで意匠が分断されてしまいます。
また、シャッターの付近には什器の設置は不可とされ、レイアウトや陳列にも規制が掛かってしまって何かと厄介な存在です。
基本的に、この柱にはスリットを埋め込まずに素柱にしてスッキリとした見せ方で進めていたのですが、ショップ側としては、やはり陳列棚が欲しいらしく、仕方なく可動棚にしました。
中途半端な陳列にならなければいいのですが・・・。
壁面と柱の展開図の次に見て頂くのは、イメージスケッチです。
今回はカラースケッチにしているのですが、これがまた手間がかかる作業でした。
いつもはモノクロスケッチで、商品も殆ど描くことはありません。今回このスケッチでは、商品に色を付けてよりイメージしやすいようにしました。
手間を掛けた分、明るい雰囲気のショップになったのですが、いかんせんCADソフトの色がなかなか綺麗にでませんでした。
打合せは思いの外スムーズに進んで良かっただけに、ちょっと悔しさが残るスケッチです。
さて本題ですが、カラーでの表現によってショップのイメージカラーで塗装したディスプレーエリアが明確になり、訴求力あるショップになっています。
また、商品を描く事で陳列のイメージも伝わり、具体的なシュミレーションが出来る様になっています。
以上、フレンチカジュアルテイストのファミリー型ショップの環境図でした。
次回からは、各詳細図と什器図のご紹介です。
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