前回に引き続き、通りに面した2階建てのメガネショップ〈什器編〉のご紹介です。
〈環境編〉をまだご覧になっていない方は、こちらからどうぞ。
今回は、ビルの1・2階に店舗を構える小さなメガネショップのご紹介です。 このビルは、間口がそれほど広くない1階部分を分割して2店舗が入れるようにした、ちょっと変わった構造の物件でした。 しかし、若者に人気のあるおしゃれな …
ニッチ風の照明付きディスプレイボックス
エントランスを入って、すぐの階段近くに設置したディスプレイボックスの三面図です。
開口した3つのボックスは、少々大きめのサイズにしています。
メガネフレーム単体をディスプレイするのではなく、アクリル備品と組み合わせたり、季節感を演出する小物などのディスプレイにも対応出来るからです。
各開口には、浅型のミニダウンライトを取り付けて、商品が際立つようになっています。
正面にガラス扉を取り付けて、ショーケースとして見せる案もあったのですが、カジュアルな雰囲気のショップということで、あえてオープンなディスプレーボックスにしました。
ただ、エントランス正面から見ると、壁としてか認識出来ないので、側面側もオープンにして訴求力を上げる方法もあったのではと感じます。
白い壁面にアクセントをつけるパネル型ディスプレイ什器
階段近くの壁面に設置した、パネル型ディスプレイ什器詳細図です。
先ほどご紹介したのディスプレイボックスとは異なり、こちらは眼鏡フレーム専用のディスプレイとなります。
本体はブルーの一色で仕上げ、白い環境の中でとても目立つ存在となっています。
新製品や、人気の高いフレームなどをディスプレイするには最適です。
また、取り付け位置もちょうど接客カウンターのすぐ横にあり、人が長く留まる場所となるので、非常に目にとまりやすくなります。
ディスプレイ部の形状は円形状にくり抜き、フォルム的にも注目度を上げる工夫を施しています。
内部には、眼鏡フレームを差し込む開口と引っ掛けるためのアクリル棒を取り付けています。
詳細図を拡大しましたので、添付しておきますね。
曲線面にダウンライトを取り付けると、どうしても面と器具の間に隙間ができてしまうので、ダウンライトを取り付け部を1段上げてフラットにしています。
濃いめのブルーのパネルに対して、白の内部は照明効果も上がり、商品がとても際立って見えます。
小さな接客カウンター詳細図
1階の階段前に設置した、接客カウンターの詳細図です。
検眼カウンターのようにゆったりと座ってもらうスタイルではなく、ちょっとした受付用のハイカウンターとなっています。
お客様の相談に乗ったり、要望や簡単な書類作成などを行うカウンターなので、機能的には最低限です。
デプスも接客カウンターとしては非常に小さい450mmとなっていて、壁面のストックの意匠に合わせて、腰部に底目地加工を施しました。
断面図をごらんください。
スタッフ側の面には、書類の保管や仕上った眼鏡を一時預かりするための棚構成で、簡易な機能です。
また、作業スペースが狭いことから扉は付けず引き出し以外は全てオープンにしました。
ディズプレイのバリエーションが豊富な壁面什器
この什器は、2階のウェイティングサロンに雑誌やインテリア小物などをディズプレイする什器の詳細図です。
特徴としては、ランダムに配置した固定棚と差し込み式のアクリル棚を組み合わせて、バリエーション豊富なディスプレーが可能だという点です。
1台は壁面に、もう一台は窓際のハイカウンターの間に設置して、外部からもディスプレイが見えるようになっています。
スケッチをご覧いただくとわかるように、差し込み式のアクリル板の一部には切り欠き加工をしています。
これは、差し込んだ際にみな同じ位置で止まるよう、ストッパーの役割を持たすためです。
特に窓際に設置した什器の場合、外側からの見え方も考慮する必要があります。全ての棚が、同じ位置にきっちりと並ぶようにする必要もあったのです。
この什器のアイディアは、クライアント様にも大変気に入っていただきました。
スタッフの方々からも評判が良く、喜んでもらえたことを覚えています。
ただ、唯一の反省点として、ランダムな固定棚に浅型のダウンライトを取り付けていれば、ディスプレイする小物がもっと際立つ演出が出来たと思います。
パーティション付きの接客カウンター詳細図
1階の売場でフレームを選んだ後に検眼を済ませて、お客様の詳しい情報や要望を聞き取る2階の接客カウンターの詳細図です。
意匠的には1階のカウンターと同様に、腰面に底目地加工だけを施したシンプルなフォルムとなっています。
天板には登録したお客様の情報を見るために、パソコンを設置しています。
そのため、セキュリティ対策としてスリガラスを使ったモニターカバーを取り付けました。
このモニターカバー横には検眼スペースとを仕切るため、低いパーティションも取り付けています。
カウンター機能としては、引き出しと可動棚での構成で、パソコン本体とプリンターを設置する箇所には回線用の開口を開けています。
断面図も添付しておきますね。
作業用のバックカウンター
加工室から仕上がった眼鏡を受け取り、微調整や清掃などを行う作業用カウンターです。
2階接客カウンターのバックに設置しています。
天板上にはレジとファックスを左右に置いていますが、使い勝手を考えて竣工時には右側にレジを設置していました。
配線用開口も左右共同じサイズにしていたので、レジとファックスの入れ替えには特に問題はなかったですね。
2階の接客カウンターでは、数人のスタッフが入れ替わり立ち替わり出入りして非常に混雑する場所です。
そのため、作業カウンターの腰面には作業スペースに干渉しないように、引き違い扉での開閉にしています。
加工室内に配置した事務用什器
この什器は、加工室内のパソコン用デスクです。
接客カウンター上のパソコンと連動していて、お客様の視力などの情報を確認するためと、作業台としても兼用している什器です。
基本的に、事務机の引き出しをオープンな可動棚に取り替えたデスクと考えて良いでしょう。
ただ、背板を取り付けていない分横方向への揺れには弱いので、可動棚のある面だけでも背板を取り付けて安定させた方が良いでしょう。
もうひとつ、加工室内のシンク横に配置した簡易な収納ケースです。
スタッフ用の荷物置き、いわゆるロッカーですね。
特にこだわった意匠をする所でもないので、機能的に必要な寸法が確保出来ていれば良しとした什器です。
この収納ケースがある壁面上部には、固定棚を取り付けていたので、その補強にも役立っています。
この図面をもって、通りに面した2階建てのメガネショップ図面事例は終了です。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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