昔、子供の頃、両親に連れて行ってもらった百貨店キャンディショップ。誰もが懐かしい思い出のある空間です。
当時は、大きなターンテーブルに区分けのボックスが有り、それぞれのボックスに違った種類のキャンディがいっぱい!
そこには、甘い匂いが漂います。
今では、ほとんど見ることの出来ない代物となってしまい、何だか残念な気もします。
今回は、昔のターンテーブル方式ではなく、垂直に立った透明の円筒形に様々なカラーのキャンディを演出+販売する店舗の事例です。
尚、環境図とは別の什器図編も誤用しています。以下からお入りください。
華やかなキャンディーショップの店舗事例の続きになりますが、先回の環境図も参考にしながら、勉強してください。 壁面キャンディ什器の詳細図_その1 上の作図は、A展開図の左側部分とその詳細図を表現しています。ほとんど実施図面 …
デッドスペースを旨く活用した平面プラン
百貨店の地下にある食品売場に位置するこのショップはエスカレーター下に出来たデッドスペースを利用しています。
エスカレーター廻りは人が多く行き交う場所です。子供たちの集客も特に期待できますね。
この店舗事例では食品売場での設置ですが、多くの子供達で賑わうキッズ売場のフロアでも集客が考えられます。
売場の構成は、ほとんどが造作什器で構成され、ほとんどが透明アクリルのキャンディーケースが占めています。残りはレジ台+キャッシャーと計りを置く作業台、そして背面のストックです。
とてもシンプルなプランになっています。 エスカレーター下の区画だけあって、少し手狭な気もしますが、とても楽しいお店でもあります。
連立するアクリケースの前で、目を輝かせながら、どのキャンディーにしようかと迷っている子供達の姿を浮かんで来ます。
重点照明を意識したスポット照明
他の店舗事例と大きく違うのは、非常に小さいショップであること。そして、エレベーター下の区画なので天井がフラットでなく傾斜がついている点です。
この後の展開図をご覧いただくとわかるのですが、向かって左側へいくにしたがって、天井が低くなっているます。 もっとも低い天井高はストックの所では1380mmしか有りません。
スタッフが作業するスペースも、約1600mm〜2000mmと少し圧迫感ある天井の高さです。 元々、デットスペースだった場所を売場として有効活用しているので、この点だけはどうしようもありません。
ですから、照明についても、このショップとして最低必要な重点照明のみをを確保したようです。配線ダクト+スポット照明器具を増設しています。
以下に照明器具内容を折れておきます。
子供が飛びつきそうな賑やかな展開図事例
過去にも古くから駄菓子屋で、色とりどりの飴などを計り売りしていましたが、当時は平たい台の上に飴や駄菓子入った箱をのせただけの見せ方でした。 (これはこれでよかった)
今では、エンターテイメント性のある空間を提供して、子供だけでなく老若男女の遊び心をくすぐります。
お気付きになっているかもしれませんが、当時アメリカでブームになったキャンディーショップが原点でしょう。
しかし、近年あまり見ることも無くなった業態です。過去の遺産かもしれませんが、一種のブームだったようです。
売場区画もあえてデッドスペースを使うことで、フロア全体のロスを無くし、売場効率を優先した戦略でしょうか。 確かにデッドスペースでの活用は良い考えだと感じました。
さて、展開図を説明しましょう。
A展開図は、メインの什器で円筒形のアクリケースにはいっぱいのキャンディが。
B展開図ではサイン付きのレジ台が見えます。横には跳ね上げ天板付きのカウンターを配置しています。C展開図については、エスカレーター下の傾斜天井と什器との高さが見て取れます。
ほんと旨く造られたローコスト&ハイパフォーマンスショップです。 デザイナーさんのアイデアに脱帽します!
後記
子供の頃を思い出す空間って、中々忘れることは出来ませんが、この店舗の実施設計を描いている頃は、忙しくてそれさえ忘れていました。
思うことは、昔のキャンディショップは、フロアの片隅に展開して、売場の「おまけ」のような存在のように今は思います。
しかし、時代が経てば、そんなキャンディがメインになる売場が出来、専門店まで存在したことです。
昔スタイルの売場が懐かしい。復活することはないのだろうかと思います。次回はこの売場のそれぞれの什器図をお届けします。純恵でした。
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