今回は、本格珈琲が専門にしているカフェの図面事例をご紹介します。
平面図をよくよく見てみると、既存とか、新設なんて言葉が出てきています。この物件は新設工事ではなく、居抜き物件をリノベーションしたのです。
さて、その内容とは・・・。
整然とした飽きのこない平面レイアウト
レイアウトは、ごく平凡で整然としていて喫茶店といったイメージです。しかし、結局はこういった平面プランがお店を長く継続させることにつながるのだと思います。
テーブルが、31卓でかなりの人数が見込めます。かなりの繁盛点だと解釈しますが、如何だったのでしょうか?
喫茶店やカフェなんかは、やはり味が勝負です。
最近は、安価なコーヒーチェーンなどが繁盛してるようですがあくまでも場所貸しであって、本当に美味しいコーヒーはやはり専門店でしょう。
余談はさておいて、このような店舗を設計する際の注意点は、やはり席数の確保と死角スペースを作らないことです。
この店で気になるのは、平面図的にレジ台の右横のスペースにあるベンチシート席がどうも気に入りません。
おそらく、この場所に座る人は少ないと思いますが、如何でしょうか?何となく、落ち着かないですよね。
まあ、この時点では理解しがたいところもありますが、次の展開図に期待しましょう!
ついでに、天伏図も載せておきますので、参考にしてください!
ヨーロッパをイメージしたデザインの展開図
入り口の両側に面材で飾った意匠柱、漆喰金ゴテで仕上げた壁面に大きなFIX窓、サンプルケースの上下を石張りにしたことでクラシックなムードを表現しています。ヨーロッパをイメージした外装です。
白を基調にした中、窓枠に色を付けたことでメリハリが効いています。
店内も間接照明も、良い感じですね。
E展開図にあるブラケットは既存利用ですが、全体の雰囲気にマッチしています。上手く利用していると思います。
実はこの図面、元々は白黒で描いていたのです。
昔(20年程前)は、カラーコピーで出力することは殆どありませんでした。ですので、そのままで保管していたのですが、イメージが伝わりにくいと思い、この図面事例を投稿するに当たって着色をしたのです。
この方が、理解しやすいですよね。
ところで、デザイナーの中には、平面計画が完成すればすぐに展開図を描かず、その展開図をアシスタントに任せてしまう人が多いそうです。また、展開図が苦手な設計者もいるぐらい手間のかかるのがこの作図です。でも私は、結構好きですね。何故って?
それは、徐々に全体のかたちが見えてくるからです。 スケッチだけでもかたちは見えてきますが、放っとくとある日突然えらい目に会うことがあります。
あるデザイナーの話ですが、クライアントにスケッチだけでなく展開図も要求され、慌てて展開図をおこしたところスケッチでは、入っていたはずの家具が入らないことが判明したそうです。ちょっと安易だったといってました。
確かに展開図はしんどい作業です。しかし、描いているうちにもっと良い発想が出てくることもあります。手を抜かずに、コツコツ作業をする事をおすすめします。
自分の実力が認められるようになっても、展開図をアシスタントには振らずに自分で描いてください。
さて、展開図だけでは分かりにくいこともあるかもしれませんが、しっかり目を通して喫茶店やカフェを作図するときの参考にしてください。
エントランス廻りの姿図と詳細図
エントランスと、サンプルケースの詳細図です。
本来はもっと細かい図面を描く必要があったのですが、時間と設計コストの関係でここまでと言われたようです。
そういった事は、良くあることです。
全体には、石貼りと入り口の意匠柱がクラシックな感じを漂わせます。
尚、この場合サンプルケースのメンテナンスをフロントから行うようになっています。もし店内にスペースの余裕があるのなら、店内からメンテナンスが出来る方が望ましいです。
このカフェ場合は、フロントのムードと雰囲気が同化しているようなので許せます。
やはりサンプルケースは見せ場なので、1枚ガラスが目を引きます。
この記事で、居抜き物件をリノベーションしたカフェの図面事例〈Part-1〉を終了します。
次回、〈Part-2〉をお楽しみに!
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