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メンズブランドを集約したの平場の計画図集〈什器図〉

D1

平場で活躍する自立式壁面システム什器


各柱前に設置した壁面タイプの什システム器です。
各ブランド毎で、陳列するパーツのサイズに多少の違いがありますが、基本的な仕様は全て同じものです。

その中から代表的な壁面什器Bをご覧いただいています。什器の両側にはステンレスの角パイプをシート貼りしたフラットバーで挟み込んだフレームを用いています。

シンプルなフォルムではありますが、それほど、個性がある什器ではありません。ただ、こういった平場ではレイアウト変更が少なくないので、このタイプの什器が重宝するのです。

また、壁面が少ないショップで、大きな役割を担うこの壁面システム什器にはちょっとした工夫を加えています。それは、パーツのワイドを2分割して、より豊富な陳列バリエーションに対応出来るようにした点です。

この結果、1台(ワンスパン)で、様々なコーディネートができるアイテムも一緒に陳列出来るようになり、販売効率も大きく影響してきます。この見せ方(手法)はアパレルショップでは特に有効とされ、多くの店舗が使っています。

壁面什器Bの他には陳列パターンを同じにしたD1の什器とワンアイテムの陳列に特化したD2、D3の壁面什器がありますので参照ください。

それぞれのコーナーの顔となるをVPパネル

柱の通路面に対して取り付けたこのディスプレーパネルは、各ブランドの個性やイメージを表現する演出スペースとなっています。マネキンやトルソ−などを使って、着想感あるディスプレーが可能です。

どのブランドもスーツをメインとした商品構成となるので、ディスプレーパネルのフレームにはシックな色目の木目にしています。フレーム内にはディスプレーする商品を引き立たせるために白い色目のタイルで仕上げています。

タイル面を区切るように取り付けた太さの違う縦格子は、縦方向への流れを強調したデザインとなっていて、上部にあるサインパネルはステンレスベースに各ショップのサインロゴを取り付けました。

優れた機能を持つ売場中央システム什器

上の什器図は、この売場の基本什器となります。本体の構造がわかるようにパーツを除いた三面図となっています。両側面のステンレス製フレームの形状は壁
什器と同仕様のもので意匠の統一を計っています。

天板のガラスは、取り外しが可能となっていて、什器高を超える商品陳列には、別パーツを使って対応できるようにしています。詳しくはa部詳細図を参照ください。

下の作図は、各パーツをセットした状態の図面で、片面には照明付きのガラス棚とストック、そして反対面にはハンガーとステージの構成になっています。

ガラス棚にはシャツやネクタイなどの「置く」商品、そしてハンガーにはジャケットの「吊る」商品の陳列に適しています。

この中央什器も、壁面什器と同様に陳列パターンが豊富にあるところが特徴なので、季節やイベントに応じた商品の組み替えが簡単にできます。

高級感が漂うシングルハンガー什器

平場全体で最も台数が多く設置しているシングルハンガー什器です。この什器も売場全体で共通している仕様で仕上げています。また、移動しやすいようにキャスターも取り付けました。

リース品のシングルハンガーと比べると、ステージがついているだけで高級感を感じさせせます。

通常の使い方では主に、商品のショルダーハンギング(肩ばかりが見える)で単一的な陳列です。売り場内の什器としては補助的に設置することが多いです。

しかし、取り外しが可能なフェイスアウトフックを取り付ける事で、2通りの見せ方が出来、売場の主力什器としても使える什器に変わります。

特にスーツショップではジャケットやパンツがメインの商品なだけに、「吊る」陳列が必然的に多くなります。

この単調な陳列にフェイスアウトを組み合わせる事で、変化のある見せ方が可能となり、訴求力も向上します。

ただ、注意すべき点は、比較的重量のある商品なので、ハンガーパイプのサイズやフェイスアウトフックの太さなどには耐久性も考慮してサイズ決定するようにして下さい。

各コーナーの担い手であるカウンター什器

上記のカウンター什器は、各ショップによってサイズの違いがありますが、各ショップに1台配置しています。作業台兼用のサービスカウンター図です。

レジ機能は、百貨店での集約レジが別の区画にあるので、この売場にはレジカウンターを設置していません。

しかし、各ブランドの販売データなどを本社に送信するなどの事務作業をしたり、陳列していた商品をこのカウンタで広げてお客様に見せる台としても利用できるようなっています。

平面図をご覧いただくとわかるように、1ショップを除いて柱廻りに出来た余剰スペースを利用して設置しています。

どのカウンターにも天板を開閉出来るようにピアノ蝶番とストッパー付きのステーを取り付けて、ノートパソコンなどを収納出来るようになっています。

そのため、側面には熱抜き用の孔を設けて、換気キャップを取り付けてあります。また、1台には側面に跳ね上げ天板を取り付けて、天板を広く使えるようにもなっています。

続いてはカウンターとセットとなっている天袋の三面図です。

カウンターの設置場所の違いで、2種類の図面を描いています。売り場内に備品などを収納するスペースがないため、カウンター上部に天袋を取り付けました。

しかし、天袋の底面までで1800mmもあり、男性のスタッフには問題ありませんが、女性のスタッフにとっては少し高い位置となっています。

この天袋をどのように使うかはショップのスタッフが決める事ですが、もう少し低い位置まで下げて、収納容積も大きくしてあげても良かったかもしれません。

平場売る場で欠かせない什器備品

スタンドミラー什器

柱廻りの壁面什器横に配置したスタンドミラーの詳細図です。

太いステンレス角パイプのフレームは、メンズショップとしての重厚感あるフォルムにしたので、スーツの売場環境にもマッチしています。また、機能的にも売り場内を自由に移動出来るようにステージ下にキャスターを取り付けました。

ただ、この場合最も注意すべきなのは、本体の重量と重心です。高くなってしまうミラースタンドは少しの衝撃で転倒してしまう恐れがあるので、重心を下げるためにステージ内部におもりを取り付けました。

この場合、安定性は向上する反面、重量が重くなるデメリットもあり、デザインと機能性、そして安全性の三要素を保てる設計が不可欠となります。

ミラーパネル

壁面什器の側面に引っ掛けるタイプのミラーパネル詳細図となります。用途的には店内にある柱面のミラーやスタンドミラーを補助するためのミラーです。

ワイドも250mmと細く、縦長の形状となっています。そのため全身を映すものではなく、ネクタイやカッターシャツの色合わせ程度で、使用頻度としては低いミラーパネルとなります。

そのため、取り外しが可能なタイプにして、壁面什器の側面に取り付けること考えました。取付方法は簡単で、フレームベースの角パイプに孔を開けておき、そこへパネル上部に溶接した丸棒を差し込むだけです。

ベンチシート

最後に、ベンチ什器の作図です。売り場内にちょっとしたくつろげるスペースを設けると、お客様の滞在時間を伸ばすことができ、より長く商品を見てもらうきっかけ作りにもなります。

また、スーツに合った靴を試着してもらう場合にも、座って履き替える事ができるベンチはとても重宝します。

意匠は凝らずシンプルにしました。コの字型となった染色仕上げの本体と濃いめのレザーを使った座面との組み合わせは、高級感をも感じさせます。

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