スーツ売場はどちらの百貨店にもありますが、どうも苦手な雰囲気なのです。

特に、このスーツ売場を通るだけでもちょっちや感走ります。理由としては、その暗さと重さみたいなのが漂ってるのです。

確かに高級感を演出するためにどうしても重厚な雰囲気になるのは仕方がありません。

過去に多くの紳士スーツ売場を設計してきた私にとって、このような雰囲気の売場というのが悩みでもありました。

今回の事例もご多分に漏れず同じよなムードになってしまったかもしれません。許せるならば、もっと大人の遊びみたいな余裕のある売場を創りたかったのが、本音です。

スーツ売場に相応しいシャキッとした平面プラン

メンズロープライススーツ売場の平面図

上記は、某百貨店のメンズフロアに併設されているロープライススーツ売場の平面図です。 スーツ売場らしく理路整然としたレイアウトは、それほど面白くないものですね。

当時は、ロープライススーツがちょっとブームだったのでしょう。この百貨店での展開はちょっと遅すぎた嫌いがありました。

売場を見ても、併設された感があって奥行きがないのも寂しい気がしていました。

ただ、オープン当初は凄い盛況だったと聞きました。 もう、だいぶだいぶ昔のことですがね。(笑) 

ここでの注目は、ロープライスといえフィッティングだけは大きくました。これが貧弱だとスーパーのそれになりかねないしね。
 
これだけの余裕のあるフィッティングルームを設けてあげると、決してロープライスという言葉は出てこないのではないでしょうか。 

壁面は至ってシンプルです、什器もこれといった特別なものは考えませんでした。 

尚、平面図にはこれから出てくる展開図の指示や什器番号(青丸)をプロットしています。 (何だかスーパーの売り場みたいになっちゃいました。

平面計画の手順

それではここで、この平面計画を作成する手順をご紹介しておきます。 
店舗はなんと言っても、最初に平面図ありきからはじまります。

最初に、後で描く什器図の番号をプロットしていくことから始めていきます。 

※本来は電気配線図に入れるのですが、クライアントの要望で平面図に入れておきました。

※上記の平面図には、このコンセント図は入っていませんのでこちらを御覧ください。

最終平面図が決まりましたが、ここまで約2週間程度で仕上げます。途中打合せをして、若干の修正が有ること も有ります。

VMDを明確にした展開図事例

メンズロープライススーツ売場の展開図

次に、展開図事例をご紹介します。 展開図を描き終えるとショップイメージがグーンとわかりやすくなるでしょ!

スーツ売場ということで全体のカラーは当たり前の如く、やや重厚感のあるブラウン系でまとめます。

過去いろいろな売場を見ていますが、百貨店に限ってでしょうか、どうもブラウン系が目立ような気がします。

最近(2019年)などでは、このブラウン、ブラック系でのショップが増えて、売場は真っ黒け!高級感はいいけど、人がよってこなければ何にもならない。 

私などは、ちょっと近寄りがたい気もします。デザイナーさんもっと改善策を考えなければ紳士服が大変になるよ。

売場の機能としては、至極当たり前すぎて面白くありません。全く!ただ、このスタイルを逸脱するのはかなり難しいでしょう。 

そこで、「男の小物」などを随所に配置することを提案しました。この程度の「遊び心」がなきゃね!

さて、展開図_02をご覧ください。 

ここでメインの売り場であり、見せ場になるのは、H展開でしょう。 

このショップの「顔」になるような演出を施しています。 
ここまで美しく整理するとすると明確なVMD演出となりますね。 

お客様への訴求力は高まります。 
尚、この展開図にもコメントつけておきましょう。

注意点を付け加えます

売場のMD、すなわち商品だけをただ展示、陳列している売場は、お客様にとって魅力がありませんよね。 

なぜなら「売らんが為」というメッセージが、店から滲み出るからです。 

やはりここでは、しっかりライフスタイル、着装感を演出して売場にもっと彩りを添えることが大切だと感じます。

F,G展開図

前面に壁面が覆います。間延びしないように演出小物を配置してください。 
先ほどの「男の小物」です。例えば、 その売場にあった「アート」 「ブリキのおもちゃ」等々。

H展開図

ここは店頭です。 
思い切った演出で目を引きつけるVMDをほどこします。 

ここがしょぼくれていたらお客さんは入らないし、近づいてもくれません。 
什器の高さのバランスも良く吟味してください。 

下部に見えるH展開図に配置されている、テーブル什器やアクセサリー類を入れるガラスショーケースもバリエーションのひとつとして配置しています。 

売場環境のガラススクリーン

メンズロープライススーツ売場のガラススクリーン

ここからは、この売場のそれぞれのコーナー図として、造作図を進めていきましょう。

図面の進め方としては、平面図、展開図を仕上げれば、次に進めていく作業が上記になります。

この売場だと、約18枚程度の図面が必要になります。

さて、このガラススクリーンですが、何故ここに設置したか竣工時まで分かりませんでした。

実は、売場の共通環境として立てたそうです。特にどうってことのないのですが、売場のメインになるカ所を、より際立たせ、店の格が上がるよう設置したそうです。

この環境に関しては、売場設計と全く別個なものなので気にしないで図面を進めることが出来ました。

配置は、下部の平面図を参照してもらえれば分かると思います。 

メイン什器の中心を左右に、ガラススクリーンがはみ出しているのが確認できます。 ゴンドラ什器の背割れ什器のような考え方なのですね


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 01-01-1-1.gif

欲をいえば、このガラススクリーンに演出照明を加えればもっとよかったのですが。 

プロット01

以上です。

売場を際立たせるVMD造作什器

メンズロープライススーツ売場のVMD什器

さて、このロープライススーツ売場の見せ場であるVMDエリアの什器とその断面詳細図です。 

イメージ

お客様に、しっかりアピール出来るエリアと考えます。 
また、先回ご紹介したガラススクリーンがよりその効果を高めています。 

ここは、シーズンに打ち出す商品を如何に見せるかが勝負の「場」でもあります。
 
商品を中心に、その関連商品を明確に見せることが肝心です。 

そして、着想感やライフスタイル演出にも手を入れて欲しいところです。 

尚、壁面システムを施していますので、壁面備品(棚、ハンガー)等を旨く、組み替えることも出来ます。 

後は、販売員の腕前で、売り上げは確実に上がると思われます。

下部の什器図は、上記のメインディスプレーでありVMDエリアの裏側に当たる面になります。 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 463e7dee.jpg

スーツ売場になくてはならないのが、このドレスシャツです。 

ここでは、まず上段でネクタイとコーディネートされたシャツをフェイスアウトで展示します。 

明確なVMDですね。

その下段に、その関連商品を棚で配置構成します。 まあ、「上で見て、下で売る」という考え方です。VMDの基本です。 

この売場はとても明解ですし、お客様も見やすく、触りやすく、選びやすいので大変親切な売場ともいえます。 

また、中央の一部分に「くりぬき」を施し、シースルー感をだします。 
売場環境のガラススクリーンを通して人の動きが、売場の活気を盛り上げます。 

尚、この什器は壁面システムで構成されていますので、オールフレキシブルとなり変化のあるバリエーションが編集できます。

ゆとりのあるフィッティングルーム

メンズロープライススーツ売場のフィッティングルーム

ロープライススーツ売場の、フィッティングルーム(以後FR)の造作図です。左上部にここで使用する備品も添付しています。 

高級感のあるスーツ売り場ではありませんが、FRはある程度大きなスペースが必要だと感じます。 

あまり窮屈だと、ちょっと貧そな感じがして好感が持てませんから。 

また、備品についても高級感を感じてもらうのを選びました。このFR内で使用するので、やはり大きなFRは必要です。

機能的なものについては、備品を含めハンガーフックが必要です。今回はフックを止めてレールにしました。

ただ、ミラーサイズがもう少し、いや壁面全面に貼ればよかったとオープン時感じました。尚、扉の上部には風通しをよくするためガラリを付けました。

以下は、VIP用フィッティングルームの壁面詳細図です。この場所は、平面図でいうと左端に当たる壁面の詳細図です。

余りのスペースに味気なさを感じましたので、追加工事としてガラス棚を設置することになりました。

この棚の上にメンズらしいグッズなどを展示して、ライフスタイルを表現出来ればと考えました。

具体的にはブリキのおもちゃ等。それの関連するモノを選びました。

図面右部分には、このフィッティングルームで使用するスツール。カーテンの確認写真もプロットしています。

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