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赤ちゃんルーム|商業施設には必須の機能/パターン01

背景

今回ご紹介するのは、商業施設内に設けられた「赤ちゃんルーム」の店舗図面です。

赤ちゃんルームは、一般的な売場とは少し違います。商品を見せたり販売したりする場所ではなく、赤ちゃんを連れた家族が安心して施設を利用するためのサポート空間です。

そのため計画では、見た目のデザインだけでなく、機能性も考慮します。

例えば、ベビーカーでの出入り、オムツ替え、授乳、調乳、ちょっとした休憩など、実際に利用する人の行動をひとつずつ考えていく必要があります。

今回の図面でも、入口からシンクや待合スペース、オムツ替えベッド、授乳スペースへと自然につながるように配置されています。

特に授乳スペースは入口から直接見えにくい位置に設け、必要なプライバシーを確保しています。

一方で、個室を完全に壁で囲うのではなく、パーティションとカーテンを使って緩やかに仕切っているところも特徴です。

限られた空間の中で、利用者の安心感と室内の開放感を両立させようとした計画が最も大切な項目です。

さらに、給排水や電気温水器、空調、既存ガラリなど、建築設備との取り合いも避けて通れません。

既存施設の改装だからこそ、新しくつくりたいものだけを考えるのではなく、今ある建築条件をどう活かすかも重要になります。

入口のサインやグラフィック、室内の掲示板まで図面化されているのも、この計画の面白いところです。

「入りやすい」「見つけやすい」「安心して使える」。

赤ちゃんルームという小さな空間ですが、図面を追っていくと、商業施設に必要なさまざまな設計要素が詰まっていることが分かります。

平面プラン

この平面図は、商業施設内に設けられた「赤ちゃんルーム」の計画です。本来は時間の都合で断りたかった仕事のひとつですが、仕方なく受けることとなりました。2005年06月物件でした。

この限られたスペースですが、入口から室内へ入ったときの動線をまず整理しました。手前側にはシンクや調乳台、待合用のソファを配置し、さらに奥へ進むとオムツ替え用のベッドや授乳室へつながる構成です。

特にポイントとなるのは、授乳やオムツ替えといったプライバシーを必要とする場所を、入口から直接見えにくい位置へ納めていることです。

斜めになった既存壁も利用しながら、利用者を自然に奥へ導くレイアウトにしました。

また、こうした施設ではレイアウトだけでなく、設備計画も重要になります。

シンクまわりには給排水が必要で、電気温水器には24時間電源も必要です。そのため、壁面をふかして配管や電源を納めるスペースを確保し、LGS下地の段階から必要な補強を計画しています。

赤ちゃんルームというと、どうしてもベッドやソファの配置に目が向きます。しかし、実際の図面では、給排水や電源、壁下地といった「見えなくなる部分」を先に整理しておくことが、計画を成立させるうえで大切です。

床は、清掃性を考慮した仕上げとなっていますが、今あらためて計画するなら、清掃性だけでなくクッション性や安全性も含めて床材を検討したいところです。

全体としては、利用者の動線、プライバシー、設備条件という三つの要素を、限られた空間の中で整理した赤ちゃんルームの平面計画として見ると分かりやすい図面です。

展開プラン

展開図を見ると、平面図だけでは分かりにくかった赤ちゃんルームの「使われ方」が、より具体的に見えてきます。

室内は腰の高さを基準に壁面仕上げを切り替え、足元にはソフト巾木を設けています。

赤ちゃんルームは、ベビーカーや荷物が壁に触れたり、利用者の手が壁面に触れたりする機会も多い場所です。
こうした日常的な使用を考え、汚れや傷への対応とメンテナンス性を意識した仕上げになっています。

入口側の展開図では、大きなグラフィックを使って赤ちゃんルームであることを分かりやすく表現しています。

商業施設では、初めて訪れた人にも目的の場所だとすぐ認識してもらう必要があります。室内だけでなく、通路からの「見つけやすさ」まで含めて計画しているところがポイントです。

室内へ入ると、オムツ替えベッド、ソファ、授乳スペース、シンクまわりと、それぞれの機能が壁面ごとに整理されています。

平面図で見たゾーニングが、展開図では高さや仕上げ、設備との関係として確認できます。

授乳スペースは、カーテンによって緩やかに仕切り、プライバシーを確保しています。

出入口には十分な高さを取り、赤ちゃんを抱いた状態でも出入りしやすい構成です。

また、シンクまわりでは給排水や電気温水器など、平面図では見えにくかった設備との関係も確認できます。

この展開図で面白いのは、デザインだけを見せる図面ではなく、「見つけやすさ」「使いやすさ」「プライバシー」「日常のメンテナンス」まで、赤ちゃんルームに必要な要素が壁面ごとに整理されているところです。

平面図と展開図を一緒に見ることで、この空間がどのように使われることを想定して設計されたのかが、より分かりやすくなります。

入口ゲート詳細図

入口ゲートは、赤ちゃんルームの「顔」となる部分です。

図面を見ると、既存の建築条件を利用しながら、新しくゲートを組み込む計画になっています。

特に既存壁との取り合いは、図面上の寸法だけで決め切らず、現場で壁厚を確認したうえで開口枠の奥行きを決定する考え方です。

改装工事では、既存図と実際の現場寸法が必ずしも一致するとは限りません。

こうした部分にあらかじめ「現場確認」の余地を持たせておくことも、既存建築の中へ新しいデザインを納める際には大切です。

デザイン面では、ブルーを基調としたゲートに大きなグラフィックを組み合わせ、上部には「赤ちゃんルーム/BABY ROOM」のサインを配置しています。

サインはカルプ切り文字を使った立体的な仕様で、通路側からでも施設の用途がひと目で分かるよう計画されています。

また、有効開口はW1200を確保しています。

赤ちゃんを抱いた利用者だけでなく、ベビーカーや荷物を持った状態で出入りすることを考えると、入口のゆとりは使いやすさに直結します。

今この図面を見るなら、もうひとつ確認しておきたいのが安全面です。

赤ちゃんや小さな子どもが利用する場所だけに、ゲートや開口枠の角については、意匠だけでなくR加工や面取りなども含めて検討しておきたいところです。

このエントランスは、単なる入口ではなく、「ここが赤ちゃんルームだと伝える視認性」「ベビーカーでも入りやすい開口」「既存建築へ無理なく納める施工性」の三つをまとめた計画として見ると、分かりやすい図面だと感じます。

パーティション・カーテン納まり詳細図

この図面では、赤ちゃんルームの中でも特にプライバシーが求められる授乳スペースを、どのように仕切っているかが理解出来ると思います。

特徴は、壁ですべてを囲って個室にするのではなく、木製パーティションとカーテンを組み合わせていることです。

必要な視線は遮りながら、室内を閉鎖的にしすぎない構成になっています。

パーティションには、厚さ25mmの木製材を使い、周囲の造作壁はクロス貼りで仕上げています。

既存のガラリもそのまま活かしながら塗装を施しているため、新しくつくる部分と既存部分をうまく馴染ませた改装計画として見ることもできます。

ここで注目したいのが、パーティションを天井まで立ち上げていないことです。

上部をオープンにしてカーテンパイプを吊ることで、授乳スペースとしてのプライバシーを確保しながら、室内全体の空気や光を分断しにくくしています。

赤ちゃんルームのような限られた空間では、個室を増やすほど安心感は高まりますが、その反面、圧迫感が出たり、空調や換気などの条件が複雑になったりします。

また、天井まで完全に仕切らないことで、既存の空調や消防設備との関係も整理しやすくなります。

ただし、消防設備の有効範囲については、実際の計画条件に合わせた確認が必要です。

この図面は、「完全に閉じる」のではなく、「必要なところだけを仕切る」という考え方で、プライバシーと室内環境の両方をまとめた間仕切り計画として見ると分かりやすいですね。

掲示板詳細図

この掲示板は、赤ちゃんルームを利用する人へ施設案内やお知らせを伝えるための情報スペースです。

図面を見ると、W1350とW1800の2タイプが用意され、設置場所に合わせて使い分けられる計画になっています。

上部には「INFORMATION」の切り文字を入れ、何のための掲示板なのかがひと目で分かるシンプルなデザインです。

設置高さにも、この施設ならではの考え方が見えます。

掲示板の下端をFL+1300に設定することで、大人には見やすい高さを確保しながら、小さな子どもが掲示物やピンなどへ簡単に触れにくい位置としています。

赤ちゃんルームでは、こうした何気ない高さ設定も安全性につながります。

盤面はコンパネ下地に掲示板用クロスを貼る仕様で、案内文などを繰り返し貼り替える日常的な運用を想定しています。

四方をポリ合板仕上げのフレームで囲み、掲示物が増えても全体が雑然と見えにくいようまとめています。

また、断面図を見ると、掲示板そのものを壁へ直接貼るのではなく、下地を確保して固定する構成になっています。

掲示板は頻繁に触れるものなので、見た目だけでなく固定方法まで考えておくことが大切です。

赤ちゃんルームの中では、脇役に見える掲示板ですが、「情報を伝える」「安全に使える」「日々更新しやすい」という三つの役割を持っています。

こういう小さな造作まできちんと図面にしておくことで、店舗全体の使いやすさや完成度が整っていくんです。

しかし、当時は疲れた、疲れたって言ってたようです。だって、神経使うもんな〜!
慣れない仕事は、しない方が良いかも!今は絶対にこのような仕事は出来ません。

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