カフェ専門店は、今やいたるところにあって、日々の生活には無くてはならない存在となってます。

私も多くのショップをつくってきましたが、今回はカフェ専門店として先駆けとなった店舗の作図集をご覧頂きましょう。

当時は、主に路面店の出店が多かったという記憶があります。もちろん、コーヒー豆の販売もおこなっていました。

カフェの平面プランの進め方

今回は、カフェなど(飲食)の平面プランでの進め方をお伝えします。

ただ、この作図事例では基本図程度しかなく、細かいデザインまでは残念ながら解説できません。ですから、この基本プランをスムーズに進める為のちょっとしたテクニックを少しだけご紹介していきます。

さて、カフェを含む飲食店の設計でまず求められることは、何かご存じでしょうか?
それは厨房区画を除いたスペースでの客席が、いくらとれるかです。

チェーン展開しているカフェでは、全てがマニュアル化されているため、必要席数は概ね決められています。

各社独自の算出方法があるようですが、その方程式には、さだけではありませんが、近似値の席数を確保し、何よりお客様がゆったりとくつろげる空間造りを主たる目的とします。

では、まず何から始めれば良いでしょう? 

まず、始めにすべきは厨房区画の大まかな面積取りです。
ご自分で何か平面図を参考にして、ラフで各区画のゾーン分けの線引きをしておいてください。(以下の作図参照)

次に大きく客席や、トイレなどをグルーピングしていきます。

尚、この作業はパソコンを使わず手描きで行うほうが理解しやすいでしょう。パソコンで行うとどうしても柔軟性のない堅いプランになってしまうので、手描きでの作業をお勧めします。

まずは大まかなゾーン分けをするだけなので、こんな感じです。

ここではお客様とスタッフの動線を確認しつつ、店内のイメージを膨らませていって下さい。
次に、このゾーン分けが出来たら、実際に壁が必要な箇所を囲っていきます。そして、客席のレイアウト進めていきます。

この時、4人掛けベンチ席はどれくらいのサイズが必要か、またテーブル席(ベンチ席)はどうかなどを事前に目安となるサイズを予め用意しておきます。

後は、パズルのごとくレイアウトとして、当て込んで行くだけです。全ての方にこのやり方で進めるかは、分かりませんが、共通していえることは、「楽しみながら」進めることですね!

仮にアイディアが浮かばなかったり、気分が乗らない時には作業を一旦止めて、睡眠を取ったり、気分転換に趣味の世界に没頭する事でもいいしょう。

そうすることで、何かをひらめく事も結構ありますから。
まあ、私のやり方なので気に入れば初心者の方は是非、真似ってみてください。

天井伏せ図と堀上天井の効果について

上の作図は、カフェの天井伏せ図です。中央に堀上天井を設けているのがわかります。

基本の天井高さが2400mmと少し低く、圧迫感を感じるかもしれません。そのため、堀上天井を設けて少しでも圧迫感を緩和しようしているんです。

しかし、この作図での堀上天井で効果があったのでしょうか?って、今になって感じるのです。もっと大きな面積にすれば、より効果があったのではと、考えています。

ではどんな大きさが、考えられるのかは、下のイメージ画像を見て下さい。

イメージ画像提供元:AZ PLUS Design

如何ですか?(これはあくまで参考としてください)

奥行きのある空間に、堀上天井がドーム型になり、広がり感がありますよね。また、床と天井が連動したデザインになっているので、より演出効果があがっています。

このように、床と連動するとまではいかないまでも、奥へ向かって長くすることで、店内を広く感じさせることも出来るのではないでしょうか?

展開図_その1

次に、ショップ内の展開図を見てきますね。
店内の仕様は、白いクロスと濃い木目で統一され、アクセントとしてベンチシートにはモスグリーン色の生地を張りとしています。

全体的にとても落ち着いた印象となっていますね。また、壁面の横ラインの見切り材は、店内に広がり感を与えます。ただ、ベンチ席上の壁面には、額縁や間接照明付きのミラーパネルを施して単調な意匠にならないようにもしています。

そして、ファサードの間口が狭いので、奥へと広がりを見せる意匠は、このカフェにとって、とても有効だと言えるでしょう。

しかし、マニュアル化された意匠とはいえ、スタバやタリーズなどに比べて、特徴のない空間になっているとも言えます。

ここはやはり、空間のどこかにインパクトのある意匠が欲しいですね。では、どのような意匠が良いのでしょう。

このカフェにおいて、最も意匠性を求められる所はやはりベンチ席上部の壁面でしょう。額縁や、ミラーパネルといった装飾は、あまりにも一般的です。

スタバやタリーズのように色の切り替えや大きな面を使ったダイナミックな意匠があれば、空間がより引き締まるでしょうね。

イメージ

このイメージまでの極端な意匠は必要ありませんが、もう少し大胆な意匠や、仕上げの使い方があっても良いと思います。

展開図_その2

展開図が続きます。
大手のカフェチェーン店では、コーヒーだけでなく、豆やグッズも店内で販売しています。そのため、コーヒー豆を使った演出も良く見かけます。

しかし、当時はカフェ内でのコーヒービーンズの販売は無かったような気がします。そこまで意識が無かったのでしょう。

それ以後は、このショップ名を生かして、販売を実施しているかもしれません。

いってみれば、喫茶店だったのでしょう。このレイアウトでは、スタッフが注文を取りに来るスタイルが、妥当だと言えます。

仮にこの現状で、ビーンズや関連商品を販売するならと、考えてみました。演出効果が最も高い場所というのは、やはりエントランス部分でしょうね。

仮に、席数が減っても良いのであれば、レジ前の二人掛け席をビーンズや、グッズ販売できる演出スペースに替えても良いでしょう。

店内外を問わず視認性が、高いので訴求力もあがるでしょう。ただこれは席数が減るデメリットが有るので考えものです。

席数を減らさずに考えるのであれば、レジバックにダミーのビーンズケースを取り付けて、豆だけを特価して販売する事も考えられます。

壁面ビーンズケースの姿図

この図面は、前述の展開図2の記事内でご紹介したビーンズケースを描いたものです。実際に数種類の豆をこのケースに入れ、そこから取り出してドリップしているんです。

やはり、カフェだけあってここだけ特化したようにも見えます。今ではどちらでも見ることのできる光景です。当時のカフェがこれだったのですね。

作図は、それほど難しくはありません。しかし、いきなり「描け」っていわれてもなかなか描けるものではありません。ですから、これを機会に是非、覚えて頂きた作図事例です。

デシャップカウンターの姿図

デシャップカウンター作図です。腰面の半分以上を内照式の装飾ガラス仕様になっていますね。この装飾ガラスには、通常の板ガラスより光の屈折が楽しめる特殊ガラスを使用しています。

ノスタルジックなイメージを感じさせます。アンティーク感を演出するのにも良く使用されるガラスです。

更に、天板の見付にゴールドメッキを施したスチールの曲げ物を取り付けて、ここにもアンティークな印象付けをしています。

濃い木目とマッチして、使用していくにつれ、より味のあるカウンターになることでしょう。

さてこのデシャップカウンターカウンターのデザインで最も難しい所はどこかわかりますか?

このデザインで、最も難しい所は勿論ランダムなガラスの割付けなんです。3種類のガラスとその大きさを上手く割付けないと、とてもチープな見え方になってしまうんです。

それぞれ異なる形状なので、メインで使うものとアクセント的に使うものに分けて考えた方が上手くいくでしょうね。ここはデザイナーの腕の見せ所でもあります。

断面詳細図

ファサードのイースターカーテンについて

上記は、ファサードとも言う外装立面図です。
有名なスターバックスやタリーズなどでは、エントランスとは別に店内を見れるように大きな面のガラス サッシュを設けています。

しかし、この事例ではファサードの間口が、狭いため大きなサッシュを設ける事ができません。

そうなると店内の雰囲気や客席がどれだけあるのかが分かりづらいです。 結果、集客に大きく影響してくるんです。

では、この問題を少しでも解消させるにはどうすれば良いでしょう。

まず、ファサード面にオープンな所を作って、開放的に見せる事です。これは狭いエントランスに、いくらガラス面を設けたとしても、店内を閉ざしてしまう事に変わりありません。

ですから、出来るだけ開口部を大きくとって入り易くするんです。この事例では自動ドア横にイースターカーテンを設置して、大きな開口部をつくりました。

ちなみにイースターカーテンとは折れ戸の1種で防犯シャッターとしても使われます。(折れ戸とも言います)


イメージ画像: 東工シャッター(提供元)

オープンカフェのようなイメージを外装立面に付加する事ができます。欲を言えばオープンテラスを設けて、より開放感を演出したいですね。

長々とお付き合いありがとうございました。今回は作図のことは、あまりお話しできませんでした。ご容赦を!

いずれにせよ、この物件は10年以上、いやもっとかな?というので、作図も内容が薄い感じでした。ただ、10年経っても決して変わらぬものがあります。

それは、基本的なことです。
ショップ空間とその機能+提供物。それに人です。演出は日々変化してます。大切なことは、ショップ空間を以下に居心地のいいものにするかです。

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